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スレッドNo.3730

春の宵指に鍵盤艶やかに

辻井伸行くんのソロ・リサイタルを聴いてきた。倉敷に来てくれるのを機会に音協に入会したので、真中あたりのよい席が取れた。一部の、ベートーベン ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 作品57<熱情>は、ベートーベンが耳の疾患に絶望した個人的体験にもとづき、人生のドラマを創作に反映していた時期に作曲されたそう。不運を克服してゆくフィナーレの演奏は、力強く壮絶である。辻井くんの指がどうにかなっちゃうんじゃないかと、心配するほど。

二部の後半で、とつぜん彼が弾くのをやめて立ち上がったときは、指が?と、どきっとした。彼の指でなく、ピアノの弦が切れたのだった。「弦が切れました。弾きつづけることはできないので、少しお待ちください」と、、、。

辻井くんをテレビで見かけるたび、「身体に気をつけて。怪我をしないでね。指を痛めませんように。」と祈るような気持ちになるが、今日集まった二千人の老若男女もお吟と同じ気持ちで、彼に大きな拍手を送り続けたに違いない。彼の演奏は、時にさえずりであり、時に雪解川の激しさである。森羅万象を音に変えることのできる天才だ。

三度のアンコールが終ってもまだ拍手が続くので、辻井くんは、ひょこひょこと歩いてピアノの蓋を閉めて、またひょこひょこと消えて行った(笑)。ありがとう♪

氷上へひゞくばかりのピアノ弾く   篠原鳳作

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