爽籟に古きよき布ちくちくと
五保子さんの濃紺の紬が仕上がりました。五保子(いほこ)さんはお吟さんと同世代ですが、五女であられるため、お姉さんは米寿、ご両親は明治生まれです。赤ん坊がよく死んでいた時代ですから、五体健やかにという願いが託されたのでしょうね。そのお父さん(お祖父さんかも知れない)の着物をご自分でほどいて洗ってみえたので、袷に仕立てました。辛子色の八掛が粋です。こういう地味なものは帯や小物でいくらでも遊べます。糸は朽ちやすいですが、絹織物は丈夫で、日本の着物の素晴らしさを再確認です。
終章をかくも明るくちるいてふ 渡部志津子
