電飾の毒々しきはクリスマス
昨日は仕事を終えてから荻窪に新しく開店した屋根裏バル『鱗(こけら)』に出かけました。十年ぶりくらいで会う馬場龍吉さんの句集『ナイアガラ』の上梓祝いです。わたくしがきっこのハイヒールに入った時に俳句のいろはを教えてくれたのがきっこさんと龍吉さんでした。一物仕立てとか二句一章ってなあにという質問に答えてくれたりしていました。わたくしの大嫌いな自選十句といった腰帯がない、大瀧詠一のLP「ナイアガラ」にそっくりの画風で龍吉さんは図案家なので似せて描いたそうで、ええんかいなと見てびっくりの句集で、ハイヒール句会や一緒に行った吟行の句が散見して見事な句集で大瀧詠一のアメリカンポップスの味わいの歌を聴きながら読むのがお薦め♪
大滝詠一 さらばシベリア鉄道
夜空より山が暗いよ蚊喰鳥
やどかりのこてんこてんと洗面器
抱きついて高野聖は獲物取る
妻の留守月下美人と過ごしけり
衣ずれは律の調べのなかにこそ
ストーブに近寄つてきて脱ぎはじむ
うすらひや露西亜の船の鏡文字
筍を入れて熱湯おとなしく
臍饅頭たらふく蝌蚪の生まれけり
色鳥の五六七八まだまだ来
猟犬ハ腹ヲ汚スヲ旨トスル
潮騒の路地の奥まで初日の出
いかのぼり小さくなつて重くなる
鰐口のかんらかんらと寒の入
裏庭はいつもふるさと草青む
さへづりや馬穴で運ぶ御御御付(おみおつけ)
東京の水にも慣れて水中花
ビー玉の影は光よ夏休
四十雀まんずまんずの岩木山
日本の色はむらさき式部の実
