初昔きのふはきのふけふはけふ
新しき年の始の初春の今日ふる雪のいや重け吉事 守大伴宿禰家持 万葉集4516
あらたしきとしのはじめのはつはるのけふふるゆきのいやしけよごと
毎年元旦には万葉集末尾のこの歌を挙げる。新年を言祝ぐ最も目出度い歌と謂われるからである。まじないのようなもので、これをとなえていればつつがなき一年を送れると信じている心組みになれる。これ以上目出度い言の葉はないというひとつの信仰のようなものか。俳句では、
正月の地べたを使ふ遊びかな 茨木一夫
を年賀状に毎年愛用していた。暑中見舞いは、
水打てばそこに夏蝶生まれけり 高濱虚子
を愛用していた。
お吟さんは、音はすれども姿は見えずほんにお前は屁のやうぢや、と臭いだけは戻ってきたようで何より♪
わたくしは今朝は元日なので関東風雑煮。八方出汁に軽く塩と醤油で味と色を付け、葱と人参を細切りにして入れ、鶏の皮が80円だったので鶏腿肉より安いので代役とし、蒲鉾一切れに丸餅を三個焼いて入れて三つ葉を散らすだけだが、餅の焼いた風味が何とも正月にしか味わえないスープとなり、五個雑煮でお替りして、ニューイヤー駅伝を見ながら、これがまた箱根駅伝にはない日本のトップランナーが激走するから抜きつ抜かれつで面白く、また餅を焼いて醤油をつけて海苔で巻く磯辺焼で二個食って、さすがに
餅七個腹がグルジア共和国
となった。明日は脳梗塞で味覚を失った元料理人のお客が一緒に箱根駅伝を見ようと言うので箱根の山登りをTV観戦する予定。味覚で脳を騙せないかと一年ぐらい料理の味覚の話をし続けたら、梅干食べてスッパマン(鳥山明の漫画『Dr.スランプ』に出て来るキャラ)ではないが、梅干の話を克明にすると聞いているだけで口中に唾が湧くように、過去の記憶の再現で脳を騙せないかと話し続けていたら、カレーライスの辛さと餡子の甘みはうすうす舌に感じるようになって来たというので、カレー雑煮でも作ろうかと思っている。
戦争や事故で足や手をなくした人たちが無いのに痛みを感じる幻肢痛の治療で鏡に逆に映る手の動きを見て脳が騙されて左手が無いのに鏡に映る右手を見て左手が動くと勘違いして幻肢痛がなくなることから、「脳は騙される」という21世紀最大の発見がなされたのを味覚にも応用が出来ないかと始めたのだが、目隠しをするとバナナの匂いを納豆だと間違える人もいたので、視覚の遮断で脳が騙されるという逆手だったが、味覚の辛みと甘みだけは取っ掛かりになったようで、明日の箱根山登りに期待しよう♪
