老人力増し増しで逝く花の雨
今週の月曜13日に尾崎淳子画伯の個展『野の花』に出かけた話をしたが、淳子さんは岩淵喜代子さんの「ににん」と黒田杏子さんの「藍生」に所属しており、当日も「ににん」と「藍生」の顔見知りに出会い再会を喜んだが、岩淵喜代子代表は顔を出したが黒田杏子主宰はお出でにならなかったが、実は当日、脳内出血でお亡くなりになられていたことを今朝のニュースで知った。俳句での面識はないが、彼女が勤めていた博報堂の災害復旧システムはわたくしが設計総指揮だったので、黒田さんの席は机の名札で分かり、結構サラリーマンには俳人がいるなあと出来るだけ避けて通っていた。俳句は趣味の世界で夢もあるが、仕事は好き嫌いの余地はなく夢を見る権利は金を出すお客にしかないからお客の夢を実現する必死がプロであるこちらの腕なので、号で呼び合う遊びの世界とは全く違うから、仕事では別人28号である。「藍生」の三月号の主宰の最新句を見ると、「老人力と蜆汁」で最後の句が、
蜆汁老人力は増しました 黒田杏子
って、これが遺句・・・。お茶目なの、杏子さんて。淳子画伯は月曜の夜の二次会に欠席されたので主宰の見舞いに行かれたのか。そうだとまた虚子の「大寒や見舞に行けば死んでをり」を思い出してしまう。やはり、袖擦りあう縁としては井伏鱒二訳の「厄除け詩集」がいいだろう。
勧酒(于武陵) 井伏鱒二訳
勧君金屈巵 コノサカヅキヲ受ケテクレ
満酌不須辞 ドウゾナミナミツガシテオクレ
花発多風雨 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
人生足別離 「サヨナラ」ダケガ人生ダ
合掌。
