振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ
✱久しぶりに「大江戸の侠児」✱ #2018.4.6
昨日は、久しぶりに放送で「大江戸の侠児」を見ました。
「大江戸の侠児」は1932年に千恵蔵プロダクションが山上伊太郎の原作、脚本を片岡千恵蔵さん主演で作った「時代の嬌児」のリメイク作品になります、戦前の巨匠といわれた山上伊太郎の原作を、加藤秦監督が整理しなおして脚本を仕上げたものになります。内容は今の人からみたら古典的ですが、その古典的な劇作法をもってこの作品の良さが表れてきていると言えるのだろうと思います。
チンピラの次郎吉と彼に関わる人達の間に、思いがけないことにより良しと思ってのことが悪い感情を持たせてしまい、それが悲劇になってしまう。そして、この作品にはよけいな人物設定、よけいな描写がありません。
カメラも長くまわして、じっくりと描写している場面が多々あります。
見ていてもわかります、普通より長いところがあります。俳優さんも大変だったでしょう・・・どこで「カット」という声がかかるか分からないのですから、その感情のを持続して演技をできないといけません。香川京子さん、多々良純さんという共演者を得て、橋蔵さまもその点素晴らしいものです。
次郎吉を中心に人間模様と人生の悲しみ喜びを描いていってます。 吉太郎を大名の馬に轢き殺され、その時約束してくれたお中老にも裏切られ、その怒りから大名屋敷の御金蔵を奪い取る盗賊となった次郎吉の悲しみを追い、義賊とか英雄との次郎吉ではなく、悲しみと痛みを表現しています。
デッチリ権、文字春、おたかを救うためにやくざを殺し凶状持ちになった次郎吉が、少しの間でもとおたかの願いをきき二人で仲良く行く先に幸せはないと分かるのですけれども・・・湿っぽくもならず、暗くもなっていません。要所要所に、笑いがあるし、ユーモアがあり、大衆娯楽時代劇なのです。
橋蔵さまも初めの方ではチンピラで徹底した汚れ役で興味を持ちファイトを燃やしていたそうです。監督はこの作品では橋蔵さまが役柄そのものに生きているという映画にしたということです。
何回見ても心に残るところは、伊豆屋の店でのところです。落語や講談で有名な「蜆売り」のところです。
この有名な場面に、デッチリ権と再会するという場面を入れて・・・伊豆屋の店内での次郎吉が好きだなあ。女将と船頭の竹と今評判の鼠小僧の話を聞いて内心喜んでいる次郎吉、デッチリ権と思いもかけない再会を喜び我を忘れて喜びを出す次郎吉、文字春、おたかを案ずる次郎吉、そして、蜆売りの少年に亡くなった吉太郎を重ね合わせ優しく接する次郎吉、だが、その少年の姉が鼠小僧にもらった小判から大変なことになったことを聞いてよかれとしたことが・・と悔いる次郎吉、とその場面は歌舞伎を観ているように動きが美しく、表情も表には出せない抑えての橋蔵さまの演ずる次郎吉に感動します。
👆(画像の上をクリックすると画面の違うところで見ることが出来ます)