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スレッドNo.195

振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ

✱「赤い影法師」について①✱ #2020.11.13

(部分的に抜粋し、私なりのニュアンスと解釈で要約し掲載しております)

「赤い影法師」の前に、橋蔵さまと小沢監督がご一緒した作品は「復讐侠艶録」「若さま侍捕物帖・鮮血の晴着」「新吾十番勝負・第二部」「右門捕物帖・南蛮鮫」となっています。

その小沢監督というと、お正月映画はお手のものなのですが、「赤い影法師」は本格的な時代劇だけに、単に面白いものにというわけにもいかない、といって、肩の凝るようなものにしても・・と、気楽には撮れないので難しいといっています。

橋蔵さまの役は、三代にわたる宿命を負わされた忍者という、大変デリケートにもの。原作の持っているニュアンスもある程度は出さないと、小説を読んでいるファンに失望されてしまう。そのため、橋蔵さまにもいろいろ無理な注文をつけたりしたといっています。
しかし、「橋蔵さんのイメージのなかには、明るい面と共に、沈んだ陽影というものがある。だから、それをひきだすのは、割に楽なんです」と監督はいっています。
勿論、シナリオは正月映画の基本的な狙いとしてのダイナミックな劇的展開を強調しているから、しつこいまでに母影、若影、服部半蔵の三者の人間像を描いてみるつもりだと意欲の一端を語っています。
「赤い影法師」はお正月向きの題材と単純に割り切れるものでなく、本格的な運命劇といってもよいものでしょう。それだけに監督の苦労も並大抵ではないようです。
「ちょっとドラマが重苦しすぎる、笑えるところがまずないんですからお正月映画としてお客さんにどうかな、それだけが心配です」と馬鹿に慎重です。
「橋蔵さんにしても、こうした本格的なドラマというのは、本当に久しぶりなんで、たいへん意欲を燃やしてくれています。橋蔵さんの演技の歴史にとって、画期的なものになるんじゃないですか」と小沢監督はいいます。
「しかし、煙が出てパッと消えるという、いわゆる忍術映画じゃなくて、忍者の動きをリアルに描いてゆく。リアルな動きや、立廻りの面白は、思いきり盛り込んでゆくつもりです」
そういうことから、小沢監督は、日本古武道連盟の中島正義先生に、忍者の歩き方、走り方から、基本的な手ほどきをしてもらい、これを映画的に料理するという周到さも、その狙いからに他なりません。
「だから、俳優さんもリハーサルがたいへんなんですよ。普通の立廻りと違って、ちょっとした動きにもリアリティを要求されますからね。橋蔵さんも熱心にやってくれています。あの人の稽古熱心には感心しちゃいました」
母影の小暮実千代さんも本格的な立廻りの稽古をやっていたそうで、セットでも手裏剣を握っては投げる手つきを繰り返していたそうです。
監督が、一番難しいと語ったことは、「原作はベスト・セラーとして多くの読者をもっていますから、読者の期待も裏切りたくはない。しかし、柴錬さん独特の官能描写ね。あれは、ちょっと画には出来ませんので・・・」ということでした。
そしてラスト描写について、こう語っています。
「シナリオの比佐さんの狙いは、ラストに一抹の哀愁というか、余韻を残して、後味のよしものにしたい、というーうんです。ラストにおける、三人の感情表出のために、全ての伏線が張られてきたわけなんで、私もラスト・シーンは押すだけ押したいと思っているんです」
皆様は「赤い影法師」を見て、どのように感じましたか、脚本家と監督のめざした作品のラストへ向かう行程に心響きましたでしょうか。
気持ちを新たにしてこの作品を見直すこともいいかもしれません。

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