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スレッドNo.196

振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ

✱「赤い影法師」について②✱ #2020.11.14

(部分的に抜粋し、私なりのニュアンスと解釈で要約し掲載しております)

1962年度からは東映の封切制度が変わったときになりますので、新春のスクリーンを飾った「赤い影法師」頃までの撮影は橋蔵さまも何かと忙しかったときですが、この後は少しはじっくりと作品に取組める余裕が出来てきたと思います。
今月放送されている「赤い影法師」は、橋蔵さまのこれまでの作品のキャラクターとは違い、取組み方も違っていらっしゃったようです。
てすが、私としては柴田錬三郎さんの原作ものは、どちらかというと好きな方ではないため、今になっても「赤い影法師」はあまり受け入れられない作品になっています。しかし、橋蔵ファンの私としては、ブログの方でこの作品を紹介するまでには、ここは・・・というところ、を探したいと思っています。

そこで、この作品に取組んだ当時の橋蔵さまの抱負を拾って見ました。
なにしろ後にも先にもはじめての忍術映画なので大いに張切っています。小さい頃は、印を結んで呪文を唱えればドロンと煙りと共に消える忍術ものの主人公に憧れたものです。、幼い頃に憧れたものは何時までも心に残っているもので、映画界に入りいろいろな仕事をやっているうちに、映画のトリック技術を存分に生かした忍術映画を是非やりたいと考えていたので、「赤い影法師」で実現して、ほんとうに子供の頃にかえったような気持ちで楽しんでやっています。
といっても、忍術を見せるための筋運びの内容では僕もやる気がしませんし、ファンの皆様もばかばかしいと思われることでしょう。「赤い影法師」はストーリー自体ががっちりしたものになっている点、大いに期待をしているわけです。原作が柴田錬三郎先生のものですし、シナリオがベテランの比佐さんのものなので、この点安心して見ていただけると思っています。
正月ものとしては、いままでになかった異色作になると思いますが、立派なストーリーの一本の作品として、それだけで楽しんでいただけるものに、東映の技術を総結集した忍術場面をサービスするという形にしたいものです。
問題の忍術のトリックは、なるべく荒唐無稽なことはやらない方針らしいですが、そうかといってリアル一辺倒で押し通しても夢のないものになりますので、その点がなかなか難しいものだと思っています。

橋蔵さまが「赤い影法師」のシナリオを読んで、一番ステキだなと思ったのは、主人公若影がこれまでの忍術映画のような、単なるドロン・パッの忍術使いではないということでした。名を轟かす剣豪たちを相手に死闘を演じるだけに、立廻りの稽古も並大抵のものではなかったのですが、それ以上に、橋蔵さまが苦心したのは、愛情と復讐の板挟みに悩む若影の悲劇を、どれほど映画の観客に訴えられるか、ということだったといいます。
決して強いだけではなく、血も涙もある若き忍者の苦悩をわかっていただければ、嬉しいことはないのですが・・・とおっしゃっていました。

👆(画像の上をクリックすると画面の違うところで見ることが出来ます)

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