振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ
✱ 作品2本を✱ #投稿日2015.11.26
昨晩、東映チャンネルで20時からの「丹下左膳 妖刀濡れ燕」を観ました。
橋蔵さま、下男の源助が実は相馬家の世継ぎ源之助であるという、得意の役ですね。
下男の源助がいい、橋蔵さまの魅力がこういう役に出てくる。この頃になると立回りも一段と良くなってきている、美しさは勿論なのであるが力強さが加わっている。すべて立回りの時の格好は(本来は武士であるが)町人姿でのものであるが、またそこがいいのです。
「丹下左膳」の柳生源三郎がとび職の格好で左膳と道場で手合わせ、「清水港に来た男」も武士でありながらやくざ姿での大立ち回りもその類いのもので唸らせる所があります。
そのあと、「恋山彦」をちょっと違う観方をしました。
自分自身で楽しむために、歌とで作り仕事をしながら観る聞くために作った一つに「恋山彦」があるのです。それらを毎日ランダムにかけているのですが、昨日かけていたら映画をみたくなってしまったのです。多分歌と映像が25日という日の心に響いたのかもしれません。
本題にもどりまして、
「恋山彦」小源太が素晴らしいのは分かっていますが、私は無二斎に魅かれてしまうのです。
おむらから一蝶が女の人を隠しているみたいだと聞き、酔いに任せ一蝶の家へ行き、一蝶を振り切って誰をかくまっているのか襖を開けるまでの場面、無二斎が道場で一蝶に小源太を生かしておきたいんだろうと言いよる場面、小源太の装束で身代わりになり捕り方に囲まれておむらの家の前に来た時、無二斎を見ての言葉におむらの方を見て何も言わず捕り方を引き連れて去っていく場面、胸打たれるのです。
ここでちょっと、一蝶役の伊藤雄之助さんがその時に書いていらっしゃる中で、このようなことをおっしゃっています。
雄之助さんはこの役の設定を才能があるのに酒で枯らすという方法で、アル中の気がふる絵師に扮しようと思ったようです。雄之助さんは40歳ですからそれに扮するのは不自然ではないのですが、親友である無二斎がちょっとばかり若すぎるということに気付いたのでした。
元来橋蔵さんは若く見られるタイプ、雄之助さんは老けて見えやすい。
そうすると、二人の年齢の隔たりがさらに大きくなる。そこで、最初の設定を中止して雄之助さんが若返ることになり、橋蔵さんが少しばかりやつれを見せた浪人になる。歩み寄って年齢差を出来るだけ縮めよう、というわれで、この点が二人の苦心なのですと言っています。
小源太については、薙刀での立回りとラストの舞踊場面はいいのはわかっていますから省きます。
小源太がお品を連れて平家村に馬に乗って颯爽と帰ってくるところ、馬上の橋蔵さまは素敵です。
橋蔵さま自身であのほこりの中を走って大変でした。暑い夏砂漠のような地での撮影。馬が大勢の人とセットなどに驚いてしまって、上手な橋蔵さまがたずなを締めてもなかなかピタリと止まってくれなかったようです。
お品と祝言をした夜の寝所、小源太が御簾を下すところの、白衣を着ている橋蔵さまの脚の線の美しさが。あの姿態は色気がありますね、
ここで撮影秘話??
お品と臥床に横たわり、お品の肩に上に夜具をかけるとき、寄り添っている以上いやがおうでも小源太の上にもかかってくる道理で「オヤオヤ、これは僕も恵子ちゃんと一緒に寝るのかな?」と、マキノ先生の顔を見ました。途端に、「バカヤロ」大喝一声。「お前は寝るんじゃない!」同じ「寝る」でも橋蔵さまは「横になって寝る」マキノ先生はそれ以上の深い意味での「寝る」だったわけで、一同大爆笑だったとのことです。
江戸城へ乗り込んみ、襖が開き将軍綱吉のところまで衣冠束帯?で堂々と歩く小源太、あそこは颯爽と優美な振る舞で絵巻物を見ているようで、さすが橋蔵さまならではです。
でも私、いいなと思いながらなぜか胸がつまるのです。
橋蔵さまの作品を見るのも先へ進みたいのですが、どうしても後戻りをすることが多くそのたびに新たな発見があるので楽しいのです。
これも私なりに、作品と橋蔵さまを真剣に観ていて評価しているつもりでいるのです。
こんな調子で昨日もまた、床に入るのが遅くなってしまいました。