「大江戸の侠児」・・① #2015.12.19
今月東映チャンネル放送の「大江戸の侠児」
初共演は映画界では先輩になる香川京子さん・・(実は、橋蔵さまの歌舞伎時代に歌舞伎座で橋蔵さまの舞台を観て美しい女形にみせられて楽屋を訪問してお会いしていたそうです)、そしてのちの風間杜夫さん(子役時代です)
鼠小僧と言えば格好いいイメージがあるので、この映画をそのイメージで見ると少し期待外れ、ガックリくる人がいるでしょうね・・義賊・鼠小僧として活躍?する場面はあまり描かれていません。
加藤監督がおっしゃっているように”役柄そのものに生きている”という橋蔵さまがはしはしにみえます。素敵で格好いい橋蔵さまもいいですが、人間的なにおいのする橋蔵さまもいいですね。
義賊と呼ばれるようになってからの鼠小僧は有名ですからご存知ですね。そして格好いいですよね、橋蔵さまもやっていますからお分かりでしょう。
鼠小僧の生い立ちについては実録本として「鼠小僧実記」、歌舞伎では「鼠小僧東君新形」、講談、と多々ありますので深くお知りになりたい方はどうぞそちらの検索で。
ここで加藤泰監督が述べていることを少し、
「大江戸の侠児」は「時代の嬌児」という原作をもとにしている。次郎吉を中心に人間模様、人生の悲しみ喜びを描ければと。橋蔵君は映画の初めの方でチンピラで出てくるが、汚れ役なので大いに興味を持ちファイトを燃やしている。橋蔵君は徹底した汚れをやっています・・役柄そのものに生きているといった体当たりの演技をしています。
今までの映画は役柄を犠牲にしてもなるべく橋蔵君を美しく見せる作品が多かった。この作品は役柄そのものに生きているという映画にした。
この映画も、盗みはすれど非道はせぬ、を協調している。
チンピラやくざの次郎吉はデッチリ権と博打で捕まり、百叩きの刑で釈放になります。次郎吉が好きな文字春は家へ連れて帰り傷の手当てをするのです。(1番目の画像)
✎ (文字春が傷口にお酒を吹きかける(実際は水)ので傷口に沁み耐えられないというわけですけれど、橋蔵さまはその時、寒い撮影現場でテストで何回も冷たい水を吹きかけられる方が応えると言っていたそうです。)
📌 橋蔵さま・・・次郎吉の稼ぎの少ない時代をリアルに出したいとメークアップだけでなく、髪はボウボウ、月代はまばらに生え、頬と顎には無精ひげ、衣装もつぎはぎだらけのおんぼろにして、何故次郎吉が大泥棒の鼠小僧になったのだろうか、という心理的推移を色分けして演じるために苦心したようです。
ある夜、懲りずに博打をやりすってんてんになった次郎吉と権。このまま帰っては・・腰元の寝顔て゜も見ていこうと言う権と一緒に大名屋敷に忍びこみ、そこで恋人おたかにそっくりなお中老に会うのです(2番目の画像)。
お中老から田舎に帰りなさい、といわれた次郎吉は里心が出ておたかの元へ向かったのす。
權は、あの夜の次郎吉とお中老との出来事を面白おかしくはなし、文字春をたきつけます。(3番目の画像)
故郷に帰ってみると親は亡くなり借金取りが来ている、借金のために連れていかれようとするおたかと吉五郎を連れて逃げます。途中宿で三人の幸せな数日を過ごします。
江戸へと雪の峠を越えていく時、追ってきた文字春と遭遇します。文字春の言うことを真に受け、おたかは姿を消してしまいます。おたかがいなくなり吉五郎を不憫に思い、江戸へ戻った次郎吉はお中老の所に忍び込み、おたかだと思わせて次郎吉に顔を見せてくれるように頼み約束をします。
✎ (動きをスローにしたり台詞を早い回転の技巧を使っての場面おもしろかった、笑っちゃいます。
そして次郎吉の文字春などに対するドライなチンピラが、お中老に会った時のあの表情、次郎吉本来の心の優しさ温かさを取り戻した感じがにじみ出ている。お中老と話をする場面とおたかと吉五郎と宿での幸せなそうな場面、次郎吉を見ていると心打たれほろりとしてしまいました。
雪深い峠での撮影、カメラのレンズが凍りつき大変な時間のかかる撮影になったそうです。寒い中待っている俳優様も大変ですね。)
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