おっかさん #2016.4.1
「美男の顔役」⑫
いつ来るかと待っているおもん。
闇の中に姿を見つけ、彦六の「来た、来はったがな」に「金子はんやな」と。
おもん「ほな、またあんた直ぐに引返しはんのけ」
市之丞「・・・すみません」(悲しそうな顔をしています)
おもん「すまんのは、こっちですがな」
おもん「わしな」 市之丞に近寄って
おもん「あんたさんに、もう一辺心ないことをたずねさせておくなはれやぁ。あんたさんのお袋さんはうんといいお袋さんでしたけ、それとも悪いお袋でしたんけ。他人のお袋さんを恋しがさんのはな、うんとええお袋さんを持ったお方か、うんと悪い母親を持ったお方さんかの、どっちかに決まってまんのやで」
ずっと下を向いていた市之丞、おもんに何かを訴えるような目で
市之丞「ご母堂様、御免」(①の画像)
と言い、おもんを立たせ後ろ向きにし、肩を抱くように
市之丞「私の母は、私の母は子供の頃、私を捨てました」
おもんびっくりした顔。直次郎たちも。
市之丞「すねたこの市之丞に、母親の姿を教えてくださったご母堂様に、たった一つお願いがございます」
おもん「何なりとゆうておくなはれよ。あんたはんは出来そこないのせがれに親切にしておくれでな。ばあばあ、お礼させていただきたい、なんなとゆうておくんなはらんけ、(➁の画像)なんなとゆうておくんなはらんけ」
市之丞、涙目でおもんから離れて、高台から降りたところで
市之丞「おっかさん」
おもん「・・はいっ」(やさしい笑みで) その時の市之丞の嬉しそうな表情です。(③の画像)
市之丞「おっかさん」(大きな声で)
おもん「はい」
市之丞、嬉し涙で顔をゆがめ、その場から去っていきます。
草むらを抜け、振り返り「おっかさ~ん」
太陽が昇ろうとしている中、江戸へ向かって走って行くのでした。
🐧編集していて、目がうるうるしてしまいます。
ここに載せた橋蔵さまの表情は純粋な子供がする表情のようでしょう、愛しくなります。
橋蔵さまのいろいろな表情楽しめたでしょうか。
長々と申し訳ございませんでした。これで終わりとなります。
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