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スレッドNo.276

「おしどり囃子」・・・①  #2016.7.17

村上元三原作『花見獅子』の映画化したものですね。
「笛吹若武者」でのお二人の共演が好評で、トミイ・マミイのコンビが私たちに夢を与えてくれる楽しい映画の
始まりになりました。

▷ トミイ・マミイは「笛吹若武者」の撮影の終わりごろにつけたようです。
ひばりさんが名前の富成からトミイと、橋蔵さまが年は若いけれどしっかりしていてお母さんのよう、(ママのよう)だからマミイと。橋蔵さまとひばりさんが一緒に出られた番組で、「この人失礼しちゃうのよ、お母さんのようだからだって」と言っていました。

▷ ひばりさんは、初めての共演の時、橋蔵さまのにっこりほほ笑む顔の底に、芸の道を歩んで来た苦労が見受けられ付き合いにくいと思ったそうです。でも、撮影が進むにつれ、橋蔵さまの気持ちがのみ込め、ひばりさんが疲れていると癒してくれたりと優しい心のひとで、初めての作品だったのに兄弟のような気持になったと書いてあったことを思い出しました。
同じプロダクションでしたから、映画、舞台にとご一緒のときが多かったこともあり、何をやっても息の合うお二人です。
橋蔵さまはひばりさんがリラックスされるように気を使ってくださるのでとてもやりやすかったそうです。
ひばりさんとの出会いは、橋蔵さまにとっても、とてもよかったことですね。

💛ひばりさんとの他の作品でも思うのですが、ひばりさんと橋蔵さまの絡みは、とても自然な雰囲気、
ひばりさんの橋蔵さまに触れる時の手の仕草に感心させられます。ラブ・シーンの時でもひばりさんが抱きつき甘える手のふれ方でもほんとにいい感じなのです。橋蔵さまもひばりさんだと安心して演技をしているようにみえるのです。他の女優さんとですと、こういう雰囲気でしっくりいかないの。

📍この作品も橋蔵さまの歌舞伎界から映画界への移行第一弾にふさわしい作品内容だったかもしれません。
神楽の舞の場面、厳しい稽古場面、・・等々、見ているとどうしても歌舞伎界にいた時の橋蔵さまを想像してしまう私です。

You tube からひばりさんの「花見獅子」と「おしどり囃子」の歌も中に挿入しておきますので、場面を想像してみてください。

🌷 あっしが獅子舞を見せれば
神社の境内で奉納の宮神楽を舞っている菊次。(凛々しさがありますね)
舞台からどうも気になることがあるようで、舞がおろそかになり、師匠から注意が飛びます。祭りのなか地回りが乱暴に喧嘩を吹っ掛けているよう、それを収めたのは料亭琴川の娘おたねである。おたねは一両を渡して丸く収めたのである。

菊次が舞を終えて帰ろうとしている所へ「菊さん」、菊次ふり向くがそのまま行こうとする。にこりとはせず少し不機嫌な様子。
おたね「菊さん、待ってよ。さっきから御神楽の済むの待っていたんだよ」
菊次 「そうでもなかろう。たいそう派手な一幕があったじゃねえか」
おたね「あら、見てたの」にっこり笑い「どう、私の腕は、まんざらでもないでしょ」
菊次 「ふん、おめえが、あんなおちゃっぴぃとは思わなかったよ」
おたね「おちゃっぴぃ、まあ失礼。あたしゃ、皆のためにあいつらを裁いてやったんだよ」
菊次 「それが余計な出しゃばりというものだ。女は女らしくするものさ」
おたね「じゃ、おんた、何故黙って見てたのさ。男なら男らしく飛び出して、あいつらをやっつけてくれればよかったじゃないか」
菊次 「そうよ、男が男らしいところを見せようと思っても、どっかの娘のような出しゃばりのおちゃっぴぃがいちぁーね」
おたね「ふぅーんだ、なにさ、そんな男らしくないこと言う人大嫌い」
菊次 「おいらも、女らしくねえ娘は嫌いだよ」
おたね「嫌いで結構、どうせあんたのお嫁さんなんかにゃなってやらないから」
菊次 「ありがてぇ、それでおいらも、先の苦労がなくなって、たすかったよ」
おたねに言い残して行ってしまう菊次に地団太をふみます。

と、こんな具合ですが、周りが心配することではないようですよ。宮神楽の弟子・菊次と料亭こと川の娘・おたねは惚れ合っている二人なのですから、喧嘩をして言い合って結構楽しんでいるようです。

🐦(トミイとマミイの映画には、このような二人の掛け合いが他にもありますね。「女は女らはく」この台詞ふり袖太鼓でもありました。)

その夜、川端に菊次とおたねの姿がありました。
昼間のことでおたねはまだ怒っている様子、「言い過ぎた」と誤って送ってきた菊次に頼んではいないと強がりを言う。
菊次「いいのかい、夜道は物騒だよ」
男なんて平気だからかまわないでといいます。
菊次「おやおや、そうかい。そんなら、何があっても知らないよ」(①の画像)
立ち去った菊次を、本当に行ってしまうのか気になっているおたね、そして菊次もおたねが気になり見守っている。
(お互いに強情ですね。)
そこへ、地回りの仲間がおたねから一両をもらった事を聞き、自分たちもあやかろうとやってきます。もう小遣いはないと言うおたねに、それならと・・・。逃げるおたねのところに、影から見守っていた菊次が現れます。
おたね「菊さん、助けて」
菊次 「おや、おめえ、男なんかへいちゃらだったはずだろう」
おたね「そんな意地悪言わないで、こいつらやっつけてよ」
菊次 「そうかい、頼むならかたずけてやってもいいが・・・頼むんだね」(➁の画像)
おたね「早く、後生だから」

🐧(この二人の会話のやりとり、とてもいい。そして、この先大変な事態が起こるなんて想像もできません。ここの場面のおたねの菊次を見つめる表情と手の動きを作品で見て見て・・)

菊次 「よおーし。さあ、おめえら、俺が相手だ。ちょいとかたずけるかな」
地回りの二人を簡単にあしらって、菊次とおたねが仲直りが出来一緒に帰ろうとしたとき、お侍の姿を見て菊次は慌てて行ってしまう。(お侍は菊次の父親の旗本の能美三之丞であったのです。)
おたね「菊さん、どうしたの菊さん」と後を追う。

師匠の家に帰った菊次は、青山から菊次の父親が、今度新御番入りになるからと祝いの品を置いていったことを聞く。
菊次 「俺にゃ、親なんかねえ。ガキの時から子供を人手に渡す親は、俺の親じゃねえ」
弥吉 「だってぇ、お侍の家にはこっとらと違って、難しい格式だの世間体というものがあるだろう。それに、おめえは・・」
菊次 「おれは女中の子だ。女中の腹から生まれた子は、侍の家にはおけねえとよ。おれは何も生んでくれとは言った覚えはねえ、頼んだ覚えもねえよ」
菊次が父親の持ってきたまんじゅうを手ではらった時障子が開き、師匠が
総右衛門「菊次、来い」 と言われる。

稽古場へ
菊次  「なんでしょうか、師匠」
総右衛門「修行中の身で、浮世の雑事に心を煩わしてはならん」
菊次  「へい」
総右衛門「今日のお前の舞には、すきがあった」
よくよくは後を継いで、宮神楽の神髄を伝えてもらわなければならないのに、・・・。もう一度舞って見せなさいと言われ、菊次は弓と矢を持ち、師匠の拍子に合わせて舞い始める。
🐦(ここでの橋蔵さまの稽古舞は見せどころですね。素晴らしい。)

数日後の料亭こと川の座敷、芸者と男衆がやってきた。
今夜の座敷は新御番組の振舞い、能美様が御番組に入ったので、こういう時は必ず上役達がいじめるのが常なので、粗相がないように、と言われる。
座敷では、能美三之丞が難癖を付けられていた。器が粗末、芸人どもが遅いと。
芸者が来た時、芸者の踊りなど見たくはない、と大庭中務。おたねに踊れというのを断ると、能美の仕切り方が悪いから娘まで馬鹿にすると。
それではと男衆が江戸一番の獅子舞をと踊り出すと、大庭の盃が飛んだ。
大庭は能美に難題を吹っ掛けて来た・・本当の江戸一番の獅子舞を見せていただきたい。
さぁーて困った、能美様のせっかくのご招待が・・・おたねが菊次さんにお願しよう、菊次さんならきっと江戸一番の獅子舞を見せてくれる。
こと川に呼ばれた菊次に、お歴々を招いての今夜の振舞いが、菊次に獅子舞を踊ってもらわないとめちゃめちゃになってしまのだ、と頼まれたが
菊次 「折角ですが、それは御免こうむります。獅子舞は太神楽のもので、宮神楽の中にはありません」
「獅子舞は出来ないの」というおたねに「習ったことはあるから知ってはいる」
おたね「そんなら」
菊次 「あれは宮神楽師の舞うもんじゃねえ。うっかりそんなことしたら、俺が師匠に破門される」
おたね「御大層なもんだねぇ、宮神楽師ってのは」
菊次 「まぁっ、お断りしましょ」 と・・・しかし、ふと何を思ったのか
菊次 「もし旦那、今夜の振舞いのご主人役とおっしゃるのは」
能美三之丞様と聞いて、びっくりする。
菊次 「えっ、その能美様が、いじめなされているのか。あっしが獅子舞を見せれば能美様、・・とおっしゃる方の顔がたつ訳なんですね」

破門を覚悟で舞ってくれとは言えないという主人とおたね。
菊次 「その組頭の御旗本が、江戸一番の獅子舞が見たいといっているんだろ、俺が江戸一番の獅子舞を見せようじゃねえか」

菊次は支度をして、獅子頭を取って宴会の座敷に向う。(③の画像)

大庭 「今宵一番のご馳走。誠江戸一番の獅子舞じゃ」
獅子舞を舞ったのは息子菊次郎。能美三之丞は自分のために舞ってくれたのが分かった。

👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
https://sugi-nami.blog.jp/archives/14829075.html

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