「おしどり囃子」・・・② #2016.7.17
🌷おたねちゃんがいない旅は
先日の お礼に菊次を訪ねたおたねは菊次が破門になることを聞かされた。
菊次が、こと川の座敷で待ったぐらいで破門になるのはひどいと、おたねは師匠の総右衛門にいう。座敷で舞うのが悪いというのではなく、法官や芸者と同席で、宮神楽にない獅子舞を舞ったのがいけなかったのだと。
菊次は実の父親の危急を救うために舞ったのだとおたねが総右衛門に訴える。
そのわけは菊次から聞いた。菊次には一世一代の芝居だった、破門は覚悟の上だったのだろう。これからの菊次は、自分を自分で鍛えるのだ。わしは、日本一の神楽師になってくれるなら、よろこんで鬼になる、と師匠。
おたね「でも、菊さんが・・・菊さんが・・・」
その頃、入れ違いに菊次はおたねの家へ。
菊次、おたねの姿をさがすようにして、
菊次「おたねちゃんは」
この前のお礼にと菊次の所へ行ったと主人。
菊次「そうでしたか」
主人がすぐに帰ってくるからあがって待っているように言うが
菊次「いえ、それじゃよろしくお伝えください。これから旅に出るので、もう会えないかと思いますが・・」
主人、もしや破門に・・・と
菊次「覚悟の舞ですから、後悔はしていません」
これからどうするのだ、という主人。
菊次「どうって、手に職がねえんだから、宮神楽をやりながら、諸方を渡り歩くつもりです・・じゃ、御達者で」
菊次が店を出て行くのを「待っておくれ、それじゃ話もなにも・・といって引き止めるが、
菊次「御免なすって」
主人「娘が・・おたねが・・」
菊次「旦那、喧嘩相手のない旅は淋しかろう(①の画像)・・あっはっっ、そういっていたとお伝えくださいまし」
🐧(菊次のおたねに対する胸の内が、ジーンと伝わってきて・・これから一人旅に出てどうやって行くのか心配になり、可哀想に・・なってしまう台詞です。)
こと川に帰ってきたおたねは、菊次がちょっと前お別れに来て「喧嘩相手の旅は淋しかろ」と笑ってなと聞き、おたねは慌てて菊次を探すが・・姿は何処にもなかった。
菊次がいなくなって暫くたったある日、こと川に能美の祝いの時に同席していた小竹小十郎が来て、能美三之丞が大庭に腹を切らされ、検視に立ち会ってきた。大庭は自分の使いこんだ金をごまかすために、大庭中務は能見三之丞に罪を着せたというのだ。
父親が非業の死を遂げたことを知らずにいる菊次がかわいそうと、探す決心をしたおたね。宮神楽を舞うような所を菊次を探し歩く。
旅の途中水車を見て菊次を思い出すおたねです。
🐦(二人の思いを水車とあとに出てくる風車で表しています。ここで花見獅子の歌が流れていきます。)
(🐧花見獅子の歌は画像をクリックしたところに載せています)
宮神楽を舞いながら菊次も旅慣れ、風来坊のやくざ姿も板につくようになっていました。
🐦(神楽師の町人姿から、長脇差姿の橋蔵さま。スクリーンで初めてのスタイル。水を見つめていて、礼金を待っている後ろ姿からふり向いたときの橋蔵さま素敵ですね。(➁の画像)橋蔵さまの違った魅力が、また一つ増えたのです。)
礼金を祭りには博打がつきもの、と博打場に誘われて躊躇する菊次(③の画像)でしたが、背に腹は代えられません。そんなことまで覚えて旅を続けている菊次。
歌と三味線で鳥追い姿で菊次の行方を探しているおたねは、隣の宿で宮祭りがあることを聞き、祭りの最中の境内に行きつきましたが、菊次は舞った後でそこにはもういませんでした。
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
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