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スレッドNo.28

振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ

✱暫らくぶりに50代の橋蔵さまと✱ #投稿日2061.8.18

暫らくぶりに、橋蔵さまのセレクト、トリミングをしようかと、50代の橋蔵さまを見つめてみました。
「沓掛時次郎」「鯉名の銀平」と。「荒木又右衛門」は仇討ちものなので、セレクト作品はつくりません。(長編ドラマについての筋書、感想文は後日にしますので悪しからず。)
長編ドラマといえば、1981年4月から1984年までフジテレビが放送していた「時代劇スペシャル」の第一回が橋蔵さまの「沓掛時次郎」だったのです。それから、年に一度「荒木又右衛門」「鯉名の銀平」と出演されたのです。
私はこの頃は仕事で遅くまで飛び回っていたので、「銭形平次」でさえ見過ごしていたわけですから、長編ドラマはリアルタイムでは見られませんでした。
テレビでも時代劇不況時代がやってきて、時代劇スペシャルも1984年3月で打ち切られました。
好評だったら、「銭形平次」が1984年4月には終わるのですから、多分この年の5月にも出演の話は出ていたことでしょう。
でもそのころには、橋蔵さまはご自分の体力の限界を感じとっていたのではないかしら。(これは私が思うことですからね。)

橋蔵さまがやりたかった作品「鯉名の銀平」を三年後1983年5月にやれたのは本当に良かったと思います。この「鯉名の銀平」をやらずに終わっていたら・・・。
舞台でも1984年2月の新歌舞伎座でも「鯉名の銀平」をできましたし・・・最後の舞台になりましが、橋蔵さま一か月公演本当に頑張ってくださいました。
ありがとうございます、ファンとして感謝でいっぱいです。
橋蔵さまも倒れ、「時代劇スペシャル」の番組も、こうして見てくると、橋蔵さまは映画の時代劇黄金時代からお茶の間で時代劇がまさに受け入れられていた時代に、娯楽という夢を私たちに与えて生きてきた方だったのですね。
テレビ界の時代劇が廃れていく様子を目にしないで逝かれたのは、ある意味で良かったのかも・・・です。
橋蔵さまは判断の鋭い方でしたから、「銭形平次」を終わりにするという話があった時には、舞台と舞踊の方への考えで重点をおいていたでしょう。
橋蔵さまと一緒に、真の楽しい時代劇はなくなってしまいました。

「沓掛時次郎」映画で知られているのは(戦後)
1953年長谷川一夫主演「浅間の鴉」
1961年市川雷蔵主演「沓掛時次郎」
1966年中村錦之助主演「沓掛時次郎遊侠一匹」
沓掛時次郎というと皆様も雷蔵さんのものが印象にあるのではないでしょうか。太郎吉をおきぬの親のところに預け、「やくざの垢を落としたら、きっと会いに来ます」と言って追う太郎吉を振り切って去って行く。

錦之助さんのは、おきぬと太郎吉親子を三蔵から頼まれ叔父のところに旅立つ日に、親子がいなくなってしまう。一年過ぎた高崎宿で門付けをする親子に再開するところから・・おきぬが死に太郎吉をつれ故郷の沓掛に向う。

長谷川さんのは原作に大体忠実に描かれているようです。
この映画は見たことがないので、一度検証してみたいな。

やはり、橋蔵さまの「沓掛時次郎」は長谷川一夫さんの線のものですね。
贔屓目ではなく、橋蔵さまの時次郎は素晴らしいと思いました。

ここでは、私が何度見ても、目が潤んでしまう好きなところを3ヵ所。
★ 雨の中食べ物を調達に出かけ病に倒れた時次郎が目を覚まし、太郎吉の「何日経ったか知ってる?」との問いに「昨日からだろ」・・「そうか、3日も・・」太郎吉がその間にちゃんの敵を討とうと話をしていた、ということを聞いている時の時次郎のおきぬと太郎吉を見つめる顔、目が何とも言えぬのだ。橋蔵さまのうなされて寝ている顔・・綺麗で素敵です。
★ 身重のおきぬのためにどうしても一両を・・と出入りの助っ人の話を受け出かけていく時、おきぬが帰ってきたら話があると、時次郎も話があるんだと。おきぬが「待っています」と言い、差し伸べた手を握りお互いに見つめ合うのです・・橋蔵さまの表情から伝わってきます・・切ないですねぇ。
★ おきぬが亡くなり太郎吉を連れての途中、追ってきたやくざを追い払い、おきぬの遺骨を手にした時次郎の耳に「ちゃん」という声が聞こえたような、・・そして徐に太郎吉を見た時「ちゃん」と太郎吉が。抱きかかえ「太郎吉」と時次郎が言います。
橋蔵さま、やはり50代の風格ですね。ジーンときてしまいます。そのあとの言葉はいりません。・・・(涙が出てきてしまいました)・・・太郎吉を連れて歩いてゆく姿が・・・(私の心にとても訴えるのです。)

橋蔵さまの若い時の映画での泣きは、どちらかというと好きではないのですが、50代での泣きはじっくりと見いって涙を誘ってきます。

「鯉名の銀平 雪の渡り鳥」映画でしられているのは(戦後)
1951年長谷川一夫主演「月の渡り鳥」
下田港へ乗り込んで来た帆立の丑松を銀平が痛めつけている間に、お市と卯之吉を一緒にさせようとしたことを、銀はお市が卯之吉を好きだと早合点し旅にでる。しかし、お市恋しさに下田へ戻る。卯之吉はお市が銀平と会ったのをしって、丑松に銀平を斬ってくれと言いに行って自分も捕まってしまう。銀平は丑松一家を叩き斬り、二人に仲良く暮らすようにいい、捕り方にひかれていく。

1957年長谷川一夫主演「雪の渡り鳥」
大鍋の代わりに銀平は帆立へ談判に出向く。お市の父は銀平は生きて返らないだろうと、お市と卯之吉とを夫婦の約束をさせた。銀平は、帆立一家との喧嘩の前にお市に会い本心を確めようとするが、お市が返事をためらったので、誤解した銀平は帆立一家へ乗りこんだ。助人にきた卯之吉から夫婦約束の話を聞き、銀平はそのまま下田を去った。丑松から立退きを迫られ、夫の不甲斐なさにお市は・・。そこへ銀平が現れ、お市は三年前の怨みごとを言う。卯之吉は嫉妬し、丑松に銀平が戻ったこと話す。
丑松との戦いに苦戦している銀平を、卯之吉が銛で丑松にぶつかって行った。銀平は彼の身代りに雪の中を捕方に引かれて行った。

1961年市川雷蔵主演「鯉名の銀平」
銀平はお市の気持をたしかめようとしていたが、彼女ははっきりした返事をしない。下田港の縄ばりを帆立一家が狙ってきた。これを知った銀平は帆立一家との決闘の場所へいく。そこへ卯之吉が姿をみせた。お市と祝言をすませてきたと聞き銀平は嫉妬したが、危い卯之吉を救って姿を消した。
銀平が下田へ帰ってきた。お市と銀平があっていたのを見た卯之吉は、帆立一家にかけこみ斬りこんだ。が、しくじって海中にとびこむ。銀平がかけつけ子分どもを斬り払う。海からはいあがった卯之吉が丑松を倒す。捕り方を見ると、銀平は丑松殺しの卯之吉の罪を引きうけお縄をうける。銀平は、幸せに暮しなといって引かれていく。

大映の二作品は、
銀平からお市に好きかどうか聞くのです。
最後丑松に危ないところを助けられるのです。そしてお市と卯之吉の幸せを願って、卯之吉の代わりに捕まるのですね。
銀平は最後は捕り方にお縄になって行くというのが今までの作品です。

でも、橋蔵さまの銀平は、捕り方が待っているところまで見送るというお市に、お縄になる所を見られたくないと、ひとりで雪の中へ消えていきます。
最後、お市と卯之吉に、なんとも言いようがない微笑みをみせ、雪にかぶった椿が咲いていて雪が降りしきる闇の中をゆっくりと後ろを振り返りながら消えて行く銀平、
これで、テレビからは少しお別れしますという、橋蔵さまのメッセージのようにも私は受け取れてしまうので、涙で目が潤んできてしまい、橋蔵さまの姿が画面から消えても、呆然としてしまいます。

時々、50代の橋蔵さま作品をみかえすと、そのたびに、橋蔵さまの軌跡の素晴らしいことに魅了されてしまいます。

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