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スレッドNo.288

二十番勝負第一部は、この箇所の新吾を見つめます   #2017.8.28

松田定次監督が描きたいとおっしゃっているいることから、私なりに解釈して、第一部はこの箇所から新吾を見つめればよいのかな、と思います。

「新吾二十番勝負」の最初の場面、土手で昼寝をしながらも「一瞬のやすらぎもない険しい道・・それが剣の道」と、新吾はこう決意を秘めて、決して油断はしていません。その時新吾の頭上を歩いていた足音が止まり、何気なく過ぎようとする老人に向って新吾は言います。「何卒、一手ご指南のほどを」。老人は相手にしません。
「いや、午睡を覚まされた只今の凄まじい剣気」老人はそれに対して「・・・あなたが驚かれたのは、あなた自身の剣気だ」と言います。まだ若い新吾には、老人の言葉がよくわかりません。「隙のないのも結構じゃが、それでは昼寝も出来まい。弓の弦も始終張りつめていてはのう。強い、強すぎる」
👑強いばかりではいけない、心にゆとりを持て、と新吾は諭されます。納富一無斉です。

この一無斉の弟子白根弥次郎に出会い、👑新吾とは違った剣客の道を歩く人もいることを知るのです。お金を儲けるため、地位と名誉を得るために苦しい剣の道を歩く弥次郎に対し、新吾は人の道をきわめるために苦しい剣の道を歩いているのです。お金のためなら何でもする、お金に不自由のない新吾には、貧乏人の気持ちなど分からないだろうといわれるのです。

でも、新吾はお金の有難味は知っています。道端で夫婦連れの巡礼が子供と粗末なお弁当を食べている光景を見ます。その光景に新吾は、六平太に小判をやれと言います。🐧(私としては、小判を恵んでやるというこの場面は、あまり感心できない光景です・・が)
「世の中には可哀想な人もいるもんですね」というのに対し、「あの子は可哀想ではない。金がなくとも、両親と一緒に、両親の愛情の中に育つ子供は幸せだ。幸せは金では買えぬ」👑お金を恵むというお金の有難味を知りながら、お金では買えない幸せを、新吾は身に沁みて知っているのです。
新吾を描く絶対に外せないテーマの、お金と剣と権力に恵まれていながら、肉親の愛情に飢えている新吾の苦悩をもとに女性への愛に心が乱れるが、新吾は剣の道、人間の道に向っていくわけですね。

御所の塀の修復に、新吾はお鯉の方に手紙を出してお金を取り寄せます。そのことが、吉宗に分かり、お鯉の方や讃岐守に罪はないと、父上に会って話をすると言って二条城に向います。
「将軍は何処だ・・・新吾は自ら罰を受けるためにまいった。将軍家は何処だ」
書院の襖を開けた時、吉宗と新吾は目を合わせます。👑吉宗の目に涙を見て、新吾は父吉宗の愛情を知ります。今まで、父と会う機会があっても、新吾は会おうとしませんでしたが、👑正義のため、母への愛のため、自分から父に会いに行くわけです。👑会って父の嘘偽りのない気持ちを・と乗りこんでいくところに、新吾の成長が見られるということのようですよ。

第一部は、好きな描き方もありました。私にとって問題は第二部から始まり、完結篇に至っては不満が多くなってしまうのは辛いことです。(完結篇の筋書が好きだという人には、ゴメンナサイ。)

👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
https://sugi-nami.blog.jp/archives/14859395.html

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