振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ
✱話題になった顔合わせの「赤穂浪士」✱ #投稿日2016.12.17
この「赤穂浪士」で話題になったのは、やはり中村錦之助と大川橋蔵がオールスター映画で顔合わせをしたという事でした。
錦之助さんと橋蔵さまはスクリーンで長く顔合わせる、ましてこのように向き合ってというのはなかったですね。
いよいよ、千恵蔵と右太衛門から錦之助と橋蔵の時代になってくるのかと話題になりました。(でも、残念ながら時代劇が衰退の方向にいってしまいました。)
時代劇ファンとしては、お二人ががっぷり四つに組んでのオールスター映画をみたかったですね。
内匠頭が勅使接待に上野介にいじめられながら日夜苦労している内匠頭を親友淡路守が見舞う場面はクランクインして二日目に撮られたらしいです。
お二人とも初役にファイトを燃やしていたとありました。
淡路守の役はガラにあっている。腹芸の多い役だけに、工夫して痛快なところを見せたい」と錦之助さん。
「梅幸さんにいろいろ教わっています。歌舞伎の型の中にリアルな面も出してゆきたい」と橋蔵さま。
重厚火の錦之助さんと華麗美の橋蔵さま、お二人の演技を競う場面になったのです。
内匠頭の家来堀部安兵衛役の東千代之介さんが出番までお二人のやりとりを遠くで見ていました。そこで撮影の合間に暖を取りながらの、雑誌のための場が設けられました。元内匠頭、前内匠頭、現内匠頭の顔合わせとなりました。
✎どんな話をしていたのかしら・・・(部的に抜粋ですが、その時の雰囲気が分かれば、と思います。)
千代之介「いよいよ判官役だね、待望の・・」
橋蔵「映画入りいらい抱いていた夢の役なんだよ」
錦之助「待望の切腹ができるわけだ」
千代之介「なにしろ判官が切腹しないと、物語がすすまないんでね」
橋蔵「僕が切腹しないと堀部安兵衛の見せ場がないから?」
錦之助「安兵衛が内匠頭の腹を切りたがっちゃ困る」
橋蔵「二人とも内匠頭の先輩だから、いろいろおしえてほしいな」
錦之助「先輩って言ったって、去年のオールスターで一回やったきりだからね」
千代之介「この三人の中じゃ一番最初だな、内匠頭をやったのは。千恵蔵先生に全
部教えてもらった」
錦之助「大分お世話になった」
橋蔵「なにしろ、映画の内匠頭じゃ草分けだからなあ」
千代之介「原健策さんにも、かなり教えてもらった」
橋蔵「尾上の兄(梅幸)さんに所作を習ったんだけど、これを映画的に上手く消
化できれば・・」
錦之助「しめたもんだ」
橋蔵「だけどむずかしい、判官というのは。ことに切腹が決まってから、片岡
源五右衛門との最後の別れをするところには弱った」
錦之助「目だけの芝居だからな」
千代之介「あすこは全体のストーリーの中でも一つのやま場だしね」
安兵衛をやっている千代之介さんに、
錦之助「でも、大名なんていう型ぐるしい殿様よりはいいぜ、第一肩がこらな
い」
橋蔵「ほんとだ、こんどの忠臣蔵では、安兵衛役を志願しようかな」
千代之介「冗談じゃないよ、まあ、ふたりの芝居を家来らしく遠くから見させてい
ただきます。のんびりとね」
こんな調子で三人が揃う場面も終わったようです。