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スレッドNo.35

振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ

✱「恋山彦」への思い・・再度✱ #投稿日2017.1.9

「恋山彦」は橋蔵さまファンが選ぶ映画ベスト10には必ず入る作品でしょう。
橋蔵さまはここまでの作品では「ふたり大名」で二役やっています。これは、橋蔵さまが御得意とする設定の物。「恋山彦」は対照的な二役でした。
私は、小源太は小源太として、無二斎は無二斎として、それぞれに好きです。
でも、どちらかというと、作品の中に描きたかったものを考え、また橋蔵さまの無二斎への思いが分かりますので無二斎に魅かれます。
大部分の人は、気品高い小源太の振舞い、美貌の方に目がいって、孤独で世をすねた無二斎は軽視してしまうのですが、この作品は別々の世界に生きて来た二人がいての「恋山彦」の作品です。
橋蔵さまの小源太の綺麗さには、誰もが溜息が出るでしょう。無二斎のふてぶてしさの中の純真な心を感じてほしいと思います。
伊藤雄之助さんの一蝶と橋蔵さまの無二斎の親友であるがためにかかわっていく様。二人の絡みは大切なものになっています。そこで映画を見ている人から不自然でなくするために、二人の年齢差を縮めなければなりません。そこで、雄之助さんが若返ることになり、橋蔵さんが少しばかりやつれを見せた浪人になるという苦心の末が、あの無二斎のちょっと黒い化粧での風貌になったようです。
無二斎のような役は橋蔵さまは初めてだったですね。
「恋山彦」は、橋蔵さまが小学生の時に坂東妻三郎さんがやった作品です。監督は同じマキノ監督。今度はカラー化ですから、「恋山彦」の設定時代から平安朝のコスチュームの華やかさや気高い言葉を使い面白味を出したかったということです。橋蔵さまの魅力が、小源太の貴族の気高さが、まさに合致しているので、山奥で世間を知らずに生き続ける平家の落人の世界が素晴らしく描かれています。(戦前の坂妻さんでも橋蔵さまのような小源太は出来なかったと思うのです。無二斎はお手のものであったとは思うのですが。)そこで、オープニングの舞台的な演出の舞踊で始まり、私たちを違う世界に導いていってしまうのですね。
橋蔵さまは、無二斎を30才位の役作りでやったということですね。無二斎の衣装、端切れを使ったような衣装で粋ですね。橋蔵さま大変気に入っていたらしいです。あの衣装は橋蔵無二斎が来ているからよいのですですね。
小源太はロマンチシズムに、無二斎は豪快な感じにと、二役をとてもうまく演じていますよね。この作品で橋蔵さまにやっとと言ってよいでしょう、豪快さを出す役がまわってきたのです。ですから、真夜中のオープンセット撮影の、小源太の身代わりで捕り方200名近くとの見せ場の大立回りは、無二斎がカメラから見えなくなってしまう立回りのところでも、吹替えは使わず、すべて橋蔵さま自身で動くという力の入れ方でした。
小源太は・・橋蔵さまの地でいける役です。
無二斎は・・華奢な優しい橋蔵さまが豪快さの演技を必要とする初めての難しい役・・橋蔵さまが役者としてやりがいのある役です。
殺陣や馬術に関しては、橋蔵さまは何でも一生懸命でいらしたから、上手いものです。時間を見つけては練習を怠らない方でした。袴の裾さばきは、歌舞伎と舞踊で鍛えてますから流石です。

📍小源太には
小源太については、長刀での立回りと始まってすぐとラストの舞踊場面はいいのはわかっていますから省きます。
* 謀られて、薙刀での立回りになりますね・・まず私は屋敷廊下での時、殺陣をやりながら体が回るところが何か所かあります。その時の長袴の裾が綺麗に舞っているという足さばきに目がいきます。
あと、天守の狭い階段での薙刀さばきが綺麗です。
* 小源太がお品を連れて平家村に馬に乗って颯爽と帰ってくるところ、馬上の橋蔵さまは素敵です。馬に乗るときの姿勢がとてもいいのです。
橋蔵さま自身であのほこりの中を何回も走って大変でした。暑い夏砂漠のような土地での撮影。馬が大勢の人とセットなどに驚いてしまって、上手な橋蔵さまが手綱を締めてもなかなかピタリと止まってくれなかったようです。
* お品と祝言をした夜の寝所、小源太が御簾を下すところの、白衣を着ている橋蔵さまの脚の線の美しさには溜息が出てしまいます。あの姿態は色気がありますね、
* 江戸城へ乗り込んみ、襖が開き将軍綱吉のところまで衣冠束帯?で堂々と歩く小源太、あそこは颯爽と優美な振る舞で絵巻物を見ているようで、さすが橋蔵さまならではです。
しかし、なぜか胸がつまる思いがあります。(あとを知っているからかしら)
📍 無二斎には
* おむらから一蝶が女の人を隠しているみたいだと聞き、酔いに任せ一蝶の家へ、一蝶を振り切って誰をかくまっているのか襖を開けるまで、特に一蝶の手を振りきりるところ、小源太が次の瞬間どんな表情をみせてくれるのか
* 無二斎が道場で一蝶に小源太を生かしておきたいんだろうと言いよる場面、
* 小源太の装束で身代わりになり捕り方に囲まれておむらの家の前に来た時、無二斎という事を分かり言葉をかけるおむらの方を見て、無言の中に目で別れをいい、(言いたいことがあるのだが)・・、向きを変えて捕り方を引き連れて去っていく場面、
胸打たれるのです。

🍀 平家の落ち武者で世俗に毒されていく正義感を持った小源太とお品、世俗にまみれ拗ねて生きているが正義感ある無二斎とおむら。この4人の感情と行動が「山彦」のように呼び合い、もつれあい、恋を奏で、悪を倒す、
無二斎が小源太の身代わりになって死に、そのおかげで小源太とお品は山に帰ることができる。
美しく悲しいラストシーンは「山彦」の切なさを表した作品になっているのだそうです。

♤ 薙刀での殺陣での長袴の裾のまわしの綺麗な立回り
♤馬にお品を乗せて舘に帰ってくる時の馬上姿とたずなさばき、
♤江戸城に乗り込み将軍のいるところまで衣冠束帯で堂々と歩く姿、
♤お品との寝所で御簾を下す仕草と白の寝間着?の線の美しさ、

♢ 一蝶が誰をかくまっているのを突き止めようと振りきって襖を開けるまで
♢一蝶のためなら自分の身を捨てでも、小源太を助けるという無二斎の親友との別れ
♢ 身代わりになって捕り方に囲まれながら、呼び止めるおむらに無言で分かれをするような視線をする無二斎、
♢ 捕り方に囲まれ、足を怪我している無二斎の大立回り、
私は、これらの場面はいつ見てもじっくりと見いってしまうところです。

🍀 平家の落ち武者で世の中の嫌なことを見るようになる正義感を持った小源太とお品、世の中の嫌なことにまみれ拗ねて生きてはいるが正義感のある無二斎とおむら。この4人の感情と行動が「山彦」のように呼び合い、もつれあい、恋を奏で、悪を倒す。
無二斎が小源太の身代わりになって死に、そのおかげで小源太とお品は山に帰り平和に暮らすことができる。
美しく悲しいラストシーン・・・「山彦」の切なさを表した作品になっているのだそうです。

☘そう言えば、ここでおむら役の丘さとみさん、橋蔵さまとはオールスター映画と「修羅八荒」で顔を合わせていますが、おむらという役で橋蔵さま主演の作品では初めての絡みだったのですね。
この作品から、橋蔵さまの相手役も多くなりました。
その丘さんも「これまでの橋蔵さんより、こうした浪人役の橋蔵さんの方が好き。相手をしていても惚れ惚れしちゃう」と。
「次は、喜劇的な作品でお相手をしたい」
この後、マキノ監督での「清水港に来た男」でお二人の息の合った楽しい作品ができましたね。

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