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スレッドNo.465

仙右衛門、三五郎、法印の情の厚さが身に沁みる

「任侠東海道」は前回の「任侠清水港」で基礎を作り、第一歩踏み込んだ次郎長ものになっているように思われます。悪役スターも前回より顔が揃い、楽しめる内容で飽きがこない。
おやっと思ったのは、この作品では千恵蔵さんと右太衛門さんが顔を合せる場面がないことでした。
前半は増川の仙右衛門の叔父が殺されたところから・・・鬼吉、大瀬の半五郎、法印大五郎、大政が脇をかため見ごたえ十分な次郎長一家勢揃い。
叔父の女房おしまを斬れといわれた仙右衛門の情、おしまから引き離した子供をあやすためかっぽれを踊る半五郎と法印の仙右衛門とおしまへの情の動きを見ていて、目が潤んできます。
後半は、ある事件から次郎長の怒りがおさまるまで草鞋を脱いた吉良の仁吉のところで荒神山の縄張りのことで安濃徳らにおびき出された仁吉を助け荒神山での血斗が見どころです。

🐧私が「任侠東海道」を何度見ても”ここはいいな”と橋蔵さんが一番印象に残るところは、41分~49分のところになります。
次郎長は、三五郎と法印を仙右衛門の介添えにつけ、叔父を殺した三人組に手を貸したおしまから三人組の行先を聞きだし、仙右衛門に”叔父の念晴らしをしろ”と言うところから、次郎長と落ち合って偽りの返事をするところまでの部分です。
おしまの心優しさがひしひしと伝わり、仙右衛門、三五郎、法印それぞれの情の厚さが心にジンと沁みるところです。

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ここからは台詞と画像を併せながら見てほしい場面ですので、下記のURLをクリックしてご覧ください。
    💻 https://sugi-nami.blog.jp/archives/16281860.html

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🐧この作品は、仇の片割れとして討たなければならないところを情を重んじて泣かせる橋蔵さんの場面だけでなく、橋蔵ファンでも、沢山見どころがある次郎長ものの映画です。
錦之助さんの桶屋の鬼吉が月形さんの安吾郎のところへ桶を担いで乗込み次郎長の口上をいうところは流石錦之助さんらしい。
仙右衛門がおしまを討つのを待っている間、子供をあやすため千代之介さんの三五郎の踊るかっぽれこれを見ていると事柄の結末を何となく示唆しているような・・・。
この作品の大政は風格と迫力があり、次郎長に代わり清水一家をまとめることができるところで大友さんの大政はピタリ。
贔屓俳優だけでなく、時代劇ファンならみんなを応援したくなるオールスター映画です。

大詰め荒神山の血斗は、セットでの撮影でしたが迫力満点。橋蔵さんもこのときのことを「あの荒神山のセットの立廻りはすごかった。あんな大立廻りは今までになかった」と言っていました。
「勢揃い東海道」で橋蔵さんが吉良の仁吉をやっています。この時の右太衛門さんの仁吉は参考になったのでは・・・と思っています。

☘下の画像は、仁吉が息を引きとる前に、「仙右衛門」と呼び、
「三人はどうしたい」と聞く仁吉、仙右衛門は「お蔭を持ちやして・・」と言うと、「仇は討ったんだなあ」、仙右衛門が「へい」と答えると、それでは思い残すことはないと言います。
✋(画像をクリックすると拡大できます)
 

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