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スレッドNo.100

第32回五者合同学習会報告

 今年も10月1日に〜安心して心豊かに暮らせる社会をめざして〜のスローガンのもと、神楽坂のラポール日教済・山中ホールで五者合同学習会が開催された。例年通り、昼を挟んで2本の講演会が企画された。ここでは、その概要を報告します。
 午前の講演は日本退職者連合副事務局長でもあり、元神奈川県立高校教諭の岩崎長久さんの「医療制度改革の現状と課題」。
 日本の医療保険制度改革の現状と課題について、骨太の方針を議論の出発点とし、具体的なデータや最近の法改正を交えながら包括的に論じられた。まず、人口動態や医療費の現状といった基本データを確認し、国民皆保険の枠組みである被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度の構造と課題を解説する。特に、2024年5月に成立した健康保険法の改正(高額療養費制度の見直し、OTC類似薬の追加負担、出産費用の保険適用化等)や、マイナ保険証の普及と課題にも言及する。社会保障負担の増大、医師の偏在、医療の高度化、介護との連携、医療DXといった複雑に絡み合う問題点を整理し、持続可能な制度に向けた負担と給付のバランスの重要性を説く。年末にかけて社会保障審議会で議論が再開され、来年の通常国会以降に高齢者医療制度見直しの法案提出の可能性があるという今後のプロセスも示された。
(注;五者とは日教組、全国退女教、日退教、教職員共済生協、教職員相互共済会の5団体)

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 午後の講演は名古屋学院大学教授で憲法学・平和学の飯島滋明さんの「壊憲・改憲動向の現在地〜私たちはどう向かい合うべきか〜」。
⚪︎教育の国家統制への警鐘
教育の目的が、個人の幸福追求から国家への奉仕へと歪められようとしている。教育の国家目標への従属は、個人の尊厳を保障する憲法の原則と根本的に衝突する。「愛国心」の名の下で教育内容に介入する動きは、批判的思考力を奪い、権力への服従を促す。国家神話を教育に混ぜ込むことは、市民が現実よりも権威に従う思考様式を常態化させる。
⚪︎歴史の教訓と平和主義の形骸化
過去の加害責任の直視を避け、憲法改正を進めることは、平和主義の根幹を揺るがす。自衛隊の憲法明記は、徴兵制や民間人の戦地派遣を合法化する道を開く可能性がある。戦前の道徳教育は「国のための命」という規範を内面化させ、戦争への抵抗感を消滅させた。戦争の人的負担は現場に集中し、政策決定層と前線の間には深刻な認知ギャップが存在する。
⚪︎国際社会との認識の乖離
日本の歴史認識は国際標準から乖離しており、将来世代に不利益をもたらすリスクを内包している。第二次大戦は、国内では対米戦争と認識されるが、アジア諸国では日本の侵略として記憶されている。国際機関は、満州侵攻を第二次世界大戦の起点となる侵略行為と位置付けている。歴史の負の側面を伝えない教育は、意図的な情報操作であり、国際社会からの孤立を招く。
 最後に、教職員の労働条件を守ることは重要だが、その前提として平和が守られなければ教育環境も守れないと述べた。労働組合と教職員組合が平和の問題に関わる必要があるとして講演を締めくくった。

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