29日に、教科書・市民フォーラム主催の標記講演会がLプラザで開催された。今年の演者は、明治学院大名誉教授・放送大学客員教授の原 武史さん。『昭和天皇拝謁記』とは初代宮内庁長官田島道治が昭和天皇とのやりとりを記録した「拝謁記」ほか田島の日記・書簡集がまとめられ岩波書店から出版されたもの。
もともとは銀行員だった田島は、敗戦後の公職追放により適任者が一掃された為、芦田均の推薦により1949年初代宮内庁長官になった。田島の「拝謁記」は従来の史料と比べると圧倒的な分量があり、まるでテープ録音を聴くように田島と昭和天皇のやりとりのみ記録されていて、宮内庁による改竄は一切ない。
戦後の新憲法で「天皇は、主権の存する日本国民の総意に基く」とされ、国民が「象徴」天皇のいわば上にあることを、昭和天皇はわかっていなかった。天皇は東宮御学問所時代に受けた教育により、象徴を儒教的な天子のようにとらえていた。これが後の巡幸にもつながる。
天皇は講和に際して、アジアの一部の国々を除き賠償金を課されずに済んだのは米国のおかげであると評価していた。その一方、米国の民主化政策の行き過ぎには批判的で、とりわけ共産党に対する政策が甘いことが不満だった。共産主義国家のソ連は、千島を返さず虎視眈々と日本を狙っていると、北海道についても危機感を持っていた。
吉田茂は田島の在任中、ずっと首相だった。朝鮮戦争では九州に攻め込まれると天皇は心配したが、吉田に否定された。彼が軽武装論者である点で、再軍備論者の昭和天皇とは相いれなかった。しかし吉田に代わるべき人物がいないこともまた認めていた。
天皇の持つ宗教観によると、敗戦を神罰ととらえ上位にある天照大神への謝罪の気持ちはあったが、独立回復に際して国民への謝罪を表明することには反対だった。キリスト教は評価し、米国に共産主義の広がりを抑えているとの意識か。天皇が「反共」の執念を持っていたのは、イデオロギーではなく革命を恐れていた。
現在、政府は有事に備え自衛隊の南西諸島への配備を強化している。その陰には、明治から戦前にかけての天皇制に郷愁をもつ自民党右派の存在がある。憲法を改正し、天皇を元首にしたい。天皇が「軍」の精神的支柱としてよみがえる可能性は?今年、昆虫の研究で筑波大に入学した悠仁と昭和天皇との類似性にも注目していかなければいけない。
NHKプラスで、かんさい熱視線「兵庫・ひぼう中傷を追う」を視聴できます。(5月2日午後7時57分まで)
SNSでの誹謗中傷に追い詰められて百条委員会の委員だった元県議が亡くなったが、今また百条委員会の他の委員宛に誹謗中傷メールが1分ごとに延々と送りつけられ、1万件以上にもなっているという。送られた議員は「心理的にプレッシャーを感じる。議会活動や言論活動を萎縮させることにつながる。」と訴えて被害届を出したそうだ。
4月17日、公益通報者保護法の改正を審議する衆議院の特別委員会で担当大臣は、未だに違法性の指摘を受け入れない兵庫県知事に対して「県議会や第三者委員会で長時間審議されてきた結論には一定の納得をしなければならないと思う」と発言、消費者庁は兵庫県に対して「法解釈を含めた技術的助言をしている」としているが・・・。いつになったら収束するのだろう。
総がかり19日行動に参加した。コロコロ変わるトランプ発言に右往左往する政府への批判、学術会議法案の問題点などの発言が続いたが、今日はパレスチナの方からの発言があり、胸に刺さった。ジェノサイドが始まった1年半よりもずっと前からパレスチナ人は理由もなくイスラエルに拘束され続けていて、今も1万人が拘束されている。拘束されてひどい拷問を受けている。13歳の時突然拘束された少年は、釈放されたときには全身に拷問された痕が残っていた。ガザの病院が攻撃されたとき、患者を見捨てられないと最後まで病院に留まった医師がイスラエル軍に拘束されその後亡くなった。ヨルダン川西岸でもパレスチナ人への攻撃が行われていて、車に乗ったまま焼かれて瀕死の重傷を負った女性がいた・・・など。なぜこんな理不尽が止められないのだろうか。フリー!フリー!パレスチナ!!ジェノサイドをやめろ!のコールに力がこもった。
<こどもの国>
春の公園を撮影
日時 4月10日(木)10時00分
場所 子どもの国
*田園都市線長津田駅西改札口こどもの国線方向に集合
*撮影会終了後昼食をしながら交流会を実施します
午前中に雪が降ったところもあるらしく3月というのに風が冷たかったが、恒例の19日行動にシニア会員12名が参加した。
国会議員からは、石破首相だけでなく岸田元首相も・・・商品券は歴代の首相が当たり前に配付していたのではないか、との指摘があった。
東京大学名誉教授の佐藤学さんからは、日本学術会議の新法案はとんでもないものだ、法案に反対する署名を広めて欲しいとの話があった。新法はこれまで70年あまりにわたって日本の科学者の代表機関としての役割を担ってきた学術会議を国の下に置かれた特殊法人と位置づけるもの。首相に任命された外部の評価委員による評価の仕組みが明記されている。日本学術会議の活動を政府が管理し、その独立性が損なわれる危惧が大きいとして、絶対に新法を成立させてはならないと強調された。そもそも発端は菅政権下で起きた任命拒否事件で、未だにこちらはうやむやのまま。学術会議に問題があるような問題のすり替えが行われている、と。
change.org 日本学術会議の「特殊法人」化に反対する署名はこちらから。
NHKプラスで、かんさい熱視線「兵庫 混迷の1年 文書問題の深層」を視聴することができます。(4月2日午後7時57分まで)
亡くなられた元県議のお連れ合いの言葉がとても重いです。
百条委員会に続き、第三者委員会の報告書が提出され、斉藤知事のパワハラ行為について10件を認定しました。また、元県民局長の告発文書は公益通報に該当し、それに対する知事らの対応は「極めて不当」「違法」と結論づけています。あってはならない告発者捜しや、選挙活動と称して私的な情報を暴露される、SNSでいわれのない誹謗中傷を拡散されて追い詰められるなど、この間に二人もの命が失われたことの重みを考えてしまいます。
報告書が出されてもなお、「よく精査する」「県政を前に進めることが大事」と言い放つ知事には資質があると思えず、開いた口が塞がりません。
兵庫県だけの問題ではありません。どんな首長を選ぶのかは本当に大事!と心しましょう。