おしどりマコさんケンさん縦横無尽に原発問題を語る
21日に神奈川県地域労働会館で、「9.21ストッププルトニウム神奈川連絡会学習会」が催された。ゲストは「おしどり」のお二人で、原発事故を長年取材して集めた豊富な数値データと資料写真、ビデオ映像をもとに、福島原発事故発生から現在の原子炉デブリ取り出しの進展まで2時間超えで熱弁をふるった。ここでは、その中で印象に残った幾つかを紹介します。
原発事故から間もない、3月19〜21日にかけて吉本興業主催の「春休みお子様キャンペーン」が開かれ、大阪から東京よしもとに移ったばかりの夫婦漫才「おしどり」も出演していた。舞台では、爆発とか不安を煽るような言葉は使わないようにと言われていた。子供達をまえに、いま起きている本当の事を伝えなければいけないと、そのとき強く思ったそうだ。それ以来、ニコ動で資料を調べたり、記者クラブに紛れ込んだりした。東電記者会見では毎回取材に参加し、一般紙の記者が年々減る中、2023年には一人になった。2024年にデブリ取り出しで記者が急増したのは、今のマスコミの実態をよく現している。取材は福島の被災地をはじめ、脱原発を決めたドイツの市民運動にまで及んだ。
取材で明らかになったのは、廃炉に向けての「長期ロードマップ」のずさんさであった。それでも、事故から13年に渡る経緯について、マスコミは一様に口を閉じていることに疑問が生じた。後になって一連の開示請求により電通が「心の除染」というパンフレットを各方面に配り、事故処理のネガティブな内容をマスコミから遠ざけるよう働きかけたことが分かった。また、農業従事者の声として、国の行う空中放射線量調査だけでなく農地の面放射線量の調査が身の安全に必要との強い要望が上がっていることなども紹介された。さらに多額の事故総費用、除染作業における作業員を取り巻く劣悪な労働環境、被曝労災保険の問題など話題は多岐に渡った。
長い講演の後のまとめとして、自分たちが動いて行動していくことが大切であり、事故処理を担う労働者ひとりを守ることが、国民みんなを守ることに繋がると話された。