バラ色の人生は訪れるのか
膝を痛めた。
自転車を漕いだとき、ふと違和感を覚えた。
その後、歩くと痛む日が続き、私は窓から歩く人を眺めて過ごした。
この痛みさえなければ、人生はきっとバラ色なのに……そう思った。
そして、電動アシスト自転車に買い替えた。
次は顔に発疹が出た。
一日の大半を鏡の前で過ごした。
外出するときは大きな帽子とマスクで顔を覆い、紫外線を避けた。
顔に塗るのは薬だけ。
遠方の古い友人と五年ぶりに会うのに、私はすっぴんだった。
もうこの先会うこともないかもしれないのに、老けたすっぴんの私が友人の記憶に残るのだと思うと、悲しかった。
気づけば膝の痛みは治っていた。
この発疹さえなければ、人生はきっとバラ色なのに……そう思った。
忘れていた指が痛み出した。
力が入らず、バイキングで何度も食べ物を落とした。
恥ずかしく、不便だった。
長く続いた顔の発疹はようやく消えかけていた。
この指の痛みさえなければ、人生はきっとバラ色なのに……またそう思った。
昔、母の不調を「気にしすぎ」「完璧な身体なんてないよ」と言ったことがある。
ごめんね、母さん。
それでも私は思う。
明日に期待している。
バラ色の人生が、きっと待っているはずだと。