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スレッドNo.46

日本エコー遺産旧武徳殿とオーディオルーム

少し前にBS3だったか京都の日本エコー遺産で剣道場として使用されている旧武徳殿が最後に紹介されていた。以前横浜の番組も見ていて他にも番組があったらしく動画として東京の銭湯も5分ほど聴けるが、建造物とエコーとの因果関係には言及していない。
その点旧武徳殿は天井・壁と床についてそれぞれ詳しい音響効果の原因が説明されていた。
天井・壁については特定位置から発せられた音は90°の角に当たると返ってくるとの説明。旧武徳殿の天井は格子状に横木が組まれている(最終行URL参照)。一方床が厚く、床の下に空間があると足による床踏みの音が増幅されるという。太鼓のようなものか。
他に東寺と琵琶湖からの運河に点在するトンネルの音響が採りあげられていた。
タンノイスピーカーの潜在力がいくら大きいといってもオーディオルームが不適切ではつまらない音しか出せないので参考にすべくこれまでの経緯と経験を振り返ってみた。

部屋をよく見返すと、私のオーディオルームと武徳殿に共通性があることに気づいた。トレーニングルームを兼ねたオーディオルームを設計士に所望していて、床は頑丈に床下にはかなりの空間を設けたという。設計士は高校同級生で京大卒の優秀な方だが、音響効果については知識に乏しく会議室のように壁全面に有孔板を設置した結果低音の高音に比した吸音率の低さが低音過多の音の原因と二人で結論づけて前則面半分の壁を昔の小中学校体育館仕様の凸凹面にする(仕様名はコペンハーゲン)などの対策をしていた。床振動も影響あることは分かっていたが絨毯など直接的な消音ではなく、インシュレータや真空管アンプへの変更その他で対処していた。
もう一つの共通性としてオーディオルームの天井には、写真のように蛍光灯を包む幅広の木の枠が走っている。そのため、天井からの音響は非常に大きくその迫力に魅力があり、あまり対策は考えていなかった。かつて友人とベートーヴェン131番のブタベスト弦楽四重奏楽団演奏を雨の中LPレコードで聴いた時、友人は目をつむると4人組の姿が見える、それほど臨場感があると評した。私も同じ事を考えていた。銭湯でいい音が聴けるのと同じ現象だろうと意見一致したが因果関係はわからなかった。

NHKの短い録画では銭湯での音の性質原因は語られなかったので別途調べると細かい水蒸気に消音効果があるのだという。また湿度・温度の上昇は音速を早めるという。  小編成の弦楽四重奏には横組みから生じた反射はライブすぎ、湿気の多い天候でかえって臨場感が出たと了解した。これらの知識と過去の経験を踏まえ、さまざまな試行錯誤で弱まっている天井からの反射音の部分的復活を試みることとした。特に二世代アンプマッキントッシュ275の音は106番ハンマークラヴィアの再生が叩きつけるほど強烈で、ある知人は1943年演奏の第5交響曲より壮絶で驚いたという。当然録音時の音とは相当異なるものだろう。
天井からの反射とアフリカ黒檀でピアノが出せるはずのない音が出ていた。
アンプがユニゾン・リサーチに変わってもその傾向は少し残った。反射音が激減したのはプリアンプとパワーアンプの真空管に載せる素材をアフリカ黒檀からスプルースに変更してからである。新規に試みたスプルースの美しく伸びる音の魅力が迫力のある音の魅力を上回ったため恒久的な変更となるはずだった。
しかし、音の大小の変化が少なく曲によってはスプルースで物足りない曲や演奏がそれなりに存在する。大編成の曲やボーカルにその傾向が強い。

そこでまず、プリアンプの上にアフリカ黒檀、パワーアンプの真空管にスプルースを載せて試聴したところ、不協和音-両者が張り合って喧嘩をしている状態-そのもので音楽的ではない。アフリカ黒檀での音作りとスプルースの増幅は相性、バランスが非常に悪いと感じた。
最終的に試聴ソースの「シルクロード」で試行錯誤した結果プリアンプにスプルース、パワーアンプには、スプルース・アフリカ黒檀同数(アンプ毎に二個ずつ)載せるとバッティングすることなくバランスの取れた音となった。
恐らく曲種によって好バランスの配置は異なってくるだろう。
真空管上では、スプルース・カンカン石・アフリカ黒檀の三重奏が行われているわけで全曲種での主力というか,基調を担うものはスプルースでスパイスのような役割をアフリカ黒檀が担っているようだ。現在カンカン石は木材の燃焼を防ぐ目的だけだが、将来燃焼の可能性のないプリアンプの真空管に載せる試みもしようと思う。

現状でのタンノイスピーカーの音がデッドな環境のため弱すぎる、音楽的でないような場合、天井に横木を組んでみたらどうでしょうか。
旧武徳殿の画像は下記のとおりで戦前の地方農家の天井と同じ構造と思います。器用な人は日曜大工でも改造可能かもしれません。

https://www.the-kansai-guide.com/ja/directory/item/11986/

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バランス、長所を伸ばす,短所を長所に変える,現状で出来ることを考える

FUKU様のホームページを拝見して共通して試している事が結構あることが分かりました。製品で共通性があるものでは300BとC-22です。
一昨年ウエスタンエレクトリックで再生産された300Bは昔の製品は分かりませんが2000年前後に再生産されたものより相当いいと思われます。2本なら高価とも言えません。ユニゾンリサーチからパワーアンプを導入した際、販売店が東京から300B搭載のユニゾンリサーチ製プリアンプも持って試聴できた。その組み合わせは絶妙でどうしても手に入れたいと思い、約10年後に購入。念のためマックトーンのより高価なプリアンプも同時試聴してみたが、10倍以下の値段のC-22のほうが良い音が出ていた。C-22も相当なものだと思う。
スピーカと床の振動は私も悩まされたところで、石英球や砂を大量に入れるなどさまざまなことをやって、大理石を敷くことを思いついたが、オーディオ店の方にシオジ材を薦められそれまでに他の調整が進んでいることもあってこもりと暴れはなくなった。それから大体機器の下にはシオジ板を敷いている。

私は時間的に聴く事が不可能になったフルトヴェングラーとブタベストが好きだったことと、金銭的な問題から若い頃コンサートで生演奏を聴くことはあまりなかった。大阪中之島でベルリンフィル、アバトのベートーヴェン第九交響曲を聴いてから、おとなしい演奏で音響効果は効いていないが切れ目なく音が伸びていると感じて、機関銃のような非連続の連続音に聞こえるCD,トランジスタアンプより、LP、真空管アンプが良い。また多極管より3極管、シングル、無帰還が良いと情報を得て音が伸びる(盛衰が穏やかな)方向を目指した。
アフリカ黒檀を真空管から外す前までは蛍光灯を収める横柱の大きな音響に続き、天井の漆喰と合板製反響板が醸し出す硝煙のような二次音響は絶妙で違和感や、嫌み、ハッタリを感じさせなかった。
しかし、不意にヴァイオリンのスプルースを思いついて聴いてみるとその魅力に取り憑かれた。CDで聴いてさえ、舞踏の神化といわれる第7交響曲にまったく切れ目がなく美しい。 しかし、2年ぶりに黒檀の迫力も捨てがたくパワーアンプに写真のように配置した。黒檀は盛衰時間が短いが組み合わせると美しさと迫力が両立する曲目が結構あることが分かった。

他よりも素晴らしいベートーヴェンを聴くために結構なお金と多大な労力を費やしたオーディオシステムについての教訓はFUKUさんとさほど変わらないであろう。 一つ一つのメロディーは盛衰か緩やかで長く続いているように感じられるにも関わらず、曲が終了するまで嫌みな不協和音などがないため時間の経過が短く感じられる、ホールの演奏に近い音を目指すのが正道。
そこに近づくためには機器・部屋・アクセサリーを含めた全構成の協調・バランスを考えることが重要。また、ピンチをチャンスといった相手があるゲーム感覚より、短所と長所は紙一重、何かを付け加え削除することで短所が長所に変わらないかという柔軟な思考で試行を続けること、またいくら現状に不満があっても焦らす゛現状で出来ることをしていけば、道は開けると信じている。

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協和様
 いつもながら、タンノイの音作りに関して、日頃の努力を長文に渡り書いていただき、ありがとうございます。また、どうすればタンノイがうまく鳴るだろうかと、どうすれば、タンノイがうまく鳴る部屋作りができるのか、アンテナを張り、日々精進されることに、とても感心して読ましていただきました。

 文章を読んで、あるオーディオの先輩の教えを思い出しました。
タンノイオートグラフの箱については、英国オリジナルは薄い材料で作られている。ユートピアの箱がっちりと作られている。TEACの箱はその中間である。英国オリジナルは、箱の振動で絶妙なひびきを作り出します。国産の箱はどれも、箱の出来はオリジナルよりも数倍よくできている。しかし、オーディオというものはそんなものではない。それぞれに長所と短所をもっている。自己所有の良さを引き出してまとめていくのが、オーディオの醍醐味である。と教えてもらいました。おかげで、タンノイはオリジナルでなければならないという呪縛からのがれ、国産のオートグラフでも十分に音楽を鳴らせると勇気を教えてもらいました。

 タンノイは、音の存在感と訴える力があります。国産箱でも、うまく使えば、非常に高い能力を発揮します。オートグラフのエンクロージャーは、箱が鳴るように設計されています。オートグラフの振動がうまく抜けていけば、箱が鳴るように設計されています。

 私がやってきた、振動をうまく抜く工夫は、まずオートグラフ専用の木製の大型のスピーカーベースを作りました。重さは、約50kgあり、オートグラフの振動をうまく受け止めてくれます。これで音が箱にこもらず、抜けてくれる基礎ができました。次に、3点支持でカーボンの薄い板のインシュレーターを置き、そして、最後は、オートグラフのセッティングは、左右のコーナーに45度に置き、それをわずかに向きを外向きに振ることを、じっくり試し、中央に音像が定位し、深い奥行きのある響きを得るためのベストの位置を日々見つけるために、動かしました。そしてやっと抜けの良い音の入り口にたどり着きました。

 ホーンとは、スピーカーユニットから放射された音を囲いこんで、指向性をコントロールし、エネルギーを集中させることで、音に強力な浸透性を与える仕掛けである。広い空間で、大声を出しても音は届きにくい。しかし、メガホンを使えば、遠くまで明瞭に届きます。ホーンも鳴らすのは、難しい。使い方を誤ると、ホーン臭い音で鳴るのです。音がこもってボーボーと鳴るのです。金属系のホーンの音は、キンキン、カンカンと鳴るのです。オートグラフのバックロードホーンは、ストレートだと7mになる。それを複雑な動作により低域をかせいでいる。

 今日は、久しぶりにベートーヴェンの交響曲第7番をオートグラフで聴きました。最近、どうもオーディオにも熱がはいらず、集中力にかけた日々を送っていました。しかし、この曲を聴くことで、大きな勇気と希望をもらいました。音がどんどん私の心に入り込み、この部屋、このオートグラフは大切にしなければならないと思いました。

 協和様とは、異なるアプローチながら、少しでもタンノイがうまく鳴るのを目指して、日々、調整しています。これからも、よろしくお願いいたします。

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