2024年 わたしの邦画ベストテン
ドックです。
大晦日になりました。
年末恒例の私の今年の邦画ベストテンを発表したいと思います。
2024年に限らないことですが、最近ちらほらとスタンダードサイズの映画が増
えて来たことに、やや不思議な傾向を感じています。
スマホで観る際に、タテのままでも観やすいサイズなのでしょうかねえ。
今年は旧作の特集上映に通う時間的余裕もなく、残念でした。夏の時期が休みと絡
めて行きやすくはあるのですが、短期間ながら入院・手術・通院などもあり、適いま
せんでした。歳相応に少しずつ体にガタが来ていることを感じます。
東京に行った後は数日くらい、体力が戻って来ませんし・・・。
価格高騰でパンフレットはそれが読みたい作品だけに厳選して購入しておりますが、
そろそろ過去のパンフや映画チラシなども処分して、身を軽くしておかないといけな
い年齢かな・・・とも思っております。
捨てるのは忍びないので、古書店で引き取っていただきたいところですが、古くて
も90年代後半のパンフでは、値が付かないでしょうね・・・ましてやチラシなど、
引き取り先もないですねえ。
去年も同じことを書いた気がしますが、それだけ整理が進んでいないということで
すね・・・。
それでは、ベストテンを発表したいと思います。
1.あまろっく
2.ぼくのお日さま
3.本心
4.マンガ家、堀マモル
5.違国日記
6.私にふさわしいホテル
7.海の沈黙
8.missing
9.52ヘルツのクジラたち
10.かくしごと
次点 鬼平犯科帳 血闘
侍タイムスリッパ―
1位は情を感じさせる親子あるいは家族のドラマが楽しく切なく、しかも後半はそ
れが半ば疑似家族の話になっていく構成の妙を感じました。 疑似家族もの、好きな
んですよねえ。ご当地MOVIXあまがさきでは、異例のロングラン興行でした。
2位は地方のフィギュアスケートのコーチと、少年少女の生徒たちの物語で、一瞬
はキラキラと輝く理想的なストーリーが描かれながら、そこにジェンダーの問題も絡
めつつ、誤解がその夢を脆くも壊してしまう儚さを感じました。
3位はAIやバーチャルリアリティを核にしながら、そこに隣接するテーマとして、
男性に手を触れることのできない女性との共同生活など、テーマが重層的に連なって
行く要素構成の巧みさに感心いたしました。
4位は青年マンガ家の胸に宿る、ひとりの女性への喪失と思慕に惹かれました。
「たとえ離れ離れになっても、ずっと忘れずに思っていれば、それはいっしょに生
きているのと同じだ」というセリフが、私の体験とも重なり胸に迫りました。
5位は仲の悪かった姉夫婦の交通事故死を経て、その遺児たる娘を育てることにな
った女性とその子の疑似家族の物語がまた、私の好きな要素でした。
他者との関わりがあまり好きそうではない主人公の造形も良かったです。
6位はまさに先日観て来たばかりですが、主演3人のお芝居の火花散る絡み合いで
見せ切ってしまう魅力があります。ホテルのロケーションも良いですね。
主演ののんさんが誠に快演。橋本愛さんとの共演も嬉しいところです。
7位は贋作をめぐる孤高の天才画家の物語。その画家と因縁のあった女性も絡んで
来るのですが、これを本木雅弘さんと小泉今日子さんが演じているところが、往時を
知る観客には何とも言えぬ説得力を与えるのです。その歳月が体感できると言うか。
8・9・10位は主人公たちの悲痛な心の叫びという点で共通しています。8位は
子供を誘拐された夫婦のありようが描かれ、石原さとみさんの取り乱しぶりが、誠に
印象に残るものでした。
9位は過去あるいは現在に至るまで、悲痛な体験を背負った女性と男性との心の通
い合いとすれ違いが描かれます。
声に出せない心の悲鳴・・・それがタイトルにも象徴されています。
10位はどこか8位の作品の裏返しにもなるかのような構図を持つ、これも疑似家
族の作品です。
背徳に満ちた、しかし真っ当な愛情の行方を描いておりました。
次点は「鬼平犯科帳 血闘」の、今このご時世に時代劇を真摯に作ろうという姿勢
に惹かれたこと。そして「侍タイムスリッパー」の、幕末の侍がタイムスリップして
来て撮影所の俳優になるという骨子の面白みと、映画作りの物語であったことを選出
理由といたしました。
「室井慎次」2部作は、これまた疑似家族ものとして室井に父親像を担わせた妙味
を感じつつも、本来のシリーズ文脈ではない形で主要キャラをオミットすることは、
やや筋が違う印象を覚えました。
それはさておき、劇中にはこれまでのシリーズのさまざまな場面が点描されるので
すが、同時代的に観続けた人間としては、共に経て来た歳月を想起して、何とも感慨
深いものがありました。
これもランキングはしていないのですが、アニメ版「がんば」についても短く触れ
ておきます。
改めて、実写版の磯村脚本による「現代から過去へ遡る視点」は「発明」だったの
だなあ・・・と思いました。
それによって映画は「双発のエンジン」を持つ。
過去の思春期の美しい物語の時間軸の視点と共に、その通り過ぎた思春期を遡る、
かつての少年少女たる大人たちからの目線を有するのです。
このノスタルジーと言う名のエンジンは馬力がある訳です。
(原作もそうなのですが)アニメ版は女子ボート部のリアルタイムの(なおかつ現
代の)時間軸だけで描いていますから、出力としては2分の1・・・は言い過ぎとし
ても、ちょっと片肺飛行感はありましたね。
その分、アニメ版は美しい青春の物語を懸命に描こうとはしていたのですが、私と
してはそれがどこか「他人事」に思えました。つまり実写版ほど共感できなかったの
です。
実写版では冒頭に、アニメ版ではラストに映し出される女子ボート部の集合写真が
象徴的でしたね。
片や実存的な表情や構図の、しかも色褪せた写真。
片やいかにもアニメ的な表情や構図の、キラキラした写真。
後者がいささか軽く感じてしまいました。
見覚えのある風景や場面がアニメ化されているのには、ちょっとときめきましたが。
アニメ版の最大の問題は、男性アイドルが延々と作品について語る、やけに軽い予
告編(特報?)にあった気はします・・・彼のファン以外、あれで観たいと思う方が
どれほどいるのだろう・・・と。
今年の着目女優としては、齊藤なぎささんでしょうか。
もともと私の知っている別のアイドルさんによく似ていて親近感を持っていたので
すが、今年は3本の作品でそれぞれ情感ある、ちょっと小悪魔的要素もある役柄を演
じていて魅力的でした。
特にあの瞳は、「何か言いたげ」な訴求力がありますね。
その齊藤なぎささんも出演された「推しの子」には、重要なアイドル役のほとんど
にアイドル経験者を投じることで、圧倒的な存在感を生み出していたと思いました。
唯一、原菜乃華さんはアイドル経験がないのですが、あのほっぺたの造形はまさに
私好み・・・この趣味は何十年経っても変わらないようです。
「バジーノイズ」「ブルーピリオド」に出演された、桜田ひよりさんも良かった。
こちらも私の知っているアイドルさんに似ていて、親近感が湧き、そこから改めて
気になった方でした。
その他、山田杏奈さんなど他にもいたような気がするのですが、女優についてもそ
の都度メモしておかないと忘れちゃいますねえ・・・。
今年はリピートを除き、119本の作品を鑑賞しました。
昨年の171本からすれば激減でありますが、一昨年は121本でしたから、昨年
が過剰鑑賞だったのかも知れません・・・。
作品評価的には、下位の作品にもっと高順位が与えられるべきとは思うのですが、
「私の」ベストテンですので、自分の好みを優先させました。
来年もまた素晴らしい映画に出会えますように。