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スレッドNo.101

落穂拾い

今回の無選句は28句、出句85句の約33%である。平均1人約2句は無点句か。内10句を鑑賞した。いずれも私のメモにはチェックが 
 入っている。
6  ひと匙のスウプ眩しき桜桃忌
  桜桃忌はご存知太宰治の忌日である。誕生日が忌日だそうだ。桜桃は作品からとったとのこと。私も忌日の句には困惑している。
  付かず離れずが基本と思うが、故人を偲ばせる事実は容易に掴めない。掴めたとしてもそのまま使うと付き過ぎる。この句、ひと 
  匙のスープ眩しきと詠んでいる。きっと太宰治に心酔しているのだろう。でも句は付過ぎていない。句に教えられた。
9 鳥数多餌場失ふ青田風
  都市開発で自然が失われている。この傾向は田舎へも及びつつある。作者は日頃からこの風潮に心を痛めている。それが地元に及
  んできたのかも知れない。青田風が切ない。
10 稼ぎたる石工の吼えて月見草
  「石工の吼えて」と月見草が結びつかない。野村克也が長嶋茂雄を意識した言葉が月見草、向日葵を意識したが社会への抗議か。 
  「稼ぎたる石工」は解るが「吼える」は。深い意味があると思うが私を含めて共感を得られなかった。作者に意図を聞きたい。   
20 青蛙鳴き声届け銀の笛
  「銀の笛」がここでは問題と思うが、虫や動物の声を楽器にたとえている句は多い。ただ、動物の声とされる場合と楽器とされる
  場合が区分されている。さて、この句の場合はどうか。私は「銀の笛」が浮いているように見える。童話風に。
21 トマト煮る庫裡は味覚の修業場
  「味覚の修業場」とは言いえて妙。主婦の作と思われるが恐らく長時間の修行と思われる。「味覚」とあるから究極を求めての庫
  裡なのか。トマトに限らず次々と挑戦しているのだろう、永年。あやかりたいもの。
45 パレットへ筆たっぷりと青山河
  この句、私の次点句。どこがと言うわけではないが何となく。しいて言えば「筆たっぷり」かな。下5がしっかり受け止めてい
  る。
58 何かかや主婦忙しなき麦の秋
  上5が心地よい。何でもない日常だが何となく愚痴ってみたい心根が垣間見える。下5が句を絞めている。 
59 蛇を呑む鶏舎の横に卵売機
  この句無点句だが気になる句だ。多分実景だと思うがどうだろう。「蛇を呑む」とあるが「蛇の呑む」の誤りか。とすると実に
  面白い発想だ。いろいろと想像力が広がる。そんな句だ。
74 磯野家塀に凌霄かづらかな
  磯野家はサザエさんちですよね。昭和人間はサザエさんで育ったようなもの。凌霄かづらとの取り合わせもそれらしく思い出され
  てくる懐かしい風景。サザエさん、時折見かけるが復刻版?
75 栗の花しだれ厩舎の影崩れ
この句も次点。中7から下5の流れがジンと来る。しだれと影崩れが微妙に相関して心に迫る。最近
  栗の花を見る機会があったが(勿論ネットで)この句を見て膝を打った次第。

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ナチーサンさん、ありがとうございます。ナチーサンさんの仰る通り太宰治の小説が大好きです。

6  ひと匙のスウプ眩しき桜桃忌

このスウプの句は、『斜陽』の冒頭に出てくるスウプを飲む描写からです。
スウプを飲む描写がとても素晴らしくて真似て飲んでみたこともあります。太宰のどの文章も大好きです。
今回の桜桃忌は、お洒落に詠んでみようと思いました。

引用して返信編集・削除(未編集)

無点句のうち2個は小生の駄句でして
> 21 トマト煮る庫裡は味覚の修業場
   実際は庫裡では無くて台所。  妻が3週間にも及ぶマイカーによる国内旅行に出かけてしまったので、あまり
  やったことの無い炊事・洗濯・掃除・庭の水やりなどの諸事を毎日やらねばならなくなった。ひとつのことをやれ
  ば必ずそれの後始末をしないと、どんどん「ごみ屋敷状態」になってしまうから必死である。 
  その中でも一番大変なことは炊事。 飯を食うのが面倒くさい性分なので、これまでは一人の時はカップラーメン
  や、具を入れない「素ラーメン」で済ましていたのですが、長期となるとそうはいかない。 
   5日目からは自分で調理して、最低でも2品は作らねばならないので、料理本やパソコンを開き、レシビを見て
  1時間前から俎を鳴かせなければならない。 スパゲチィを食べるためにトマトを煮るのだが、どれほどの時間煮
  るのかが分からない。一応2回分を作って手間を省きたいが、やってみると、ついつい余分に作ってしまう。 味
  見をすると妻の作るものとは全然違う。 何んだかんだと苦労の連続だ。 この句はその苦行の結果として出来た
  もので、小生にとっては極めて珍しい類の句なのです。 
     無点句なのは残念ですが、捨てることが出来ない1句なのです。
> 59 蛇を呑む鶏舎の横に卵売機
   カーマホームセンターなどでは鶏糞が1袋250円で売っている。ところが耕作地の近くに鶏舎があって、そこ
  では100円で買うことが出来るので随分お世話になった。更に農場の入り口には卵の自動販売機もあって、大中
  小の大きさ別  自分の好きな卵を選んで買うことも出来るので便利。  
   肥料を買いに行く途中、道を横切った蛇が鶏舎方向へ進んだが、恐らく卵を呑みに行ったのでしょう。 「入っ
  て行った」と作ると平明な句になってしまうので、大袈裟な表現だが鶏舎が蛇を呑んだように作ったが「やりすぎ」
  たか無点句になってしまった。 卵を呑もうとする蛇を鶏舎が呑み込んだのだ。鶏舎は蛇の他にもイタチや狐、タ
  ヌキやハクビシンなども呑み込むのです。 面白い句だと思うんだけどなあ。

 蛇さん、蛇さん 卵が欲しかったら卵売機で買ってー  何! お足が無い だって~~

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年07月25日 05:31)

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