今年竹
23 少年は泣き顔見せず今年竹 (ナチーサン)
43 揺れやうのまだぎこちなき今年竹
竹林を通るとスッと若竹が、日を置いてみるみる背丈を伸ばし白い粉を纏って雄々しく立っている。そんな景をナチーサンは少年に重ねて詠まれています。
43の句はその過程の一歩手前の様子を温かな目線で詠まれていますね。
19 買つてまで苦労するなよ今年竹
我が家に黒竹が植えてあります。細竹で枝が黒で気に入り、お風呂の窓から見えたらと植えました。波板で囲ったのですが年を重ねニョキニョキと。剪っては地下茎も切って。
挙句の苦労が身に沁みます。息子さんでも買われて植えたのをみての句と思って微笑ましく感じました。三句の今年竹、興味深く拝見しました。今年の我が家は
五六本風呂の軒突く今年竹 剪るには剪ったけど根はその内に。
筍は切る機会を失ったら、あれよあれよと言ってる間に竹になります。伸び盛りの若竹には羨ましいほどの生命力があります。人間の場合も一緒ですね。伸びる時にはびっくりするほど伸びます。