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スレッドNo.1840

選句候補作品鑑賞

 2 草取女腰をなだめて又しゃがむ (いちごさん) 1
早乙女とくれば妙齢、一方草取女は悩ましいところだが中七、下五を得て高齢と即断するのは短絡すぎるか。いずれにしても生活の一部、この労働を避けて通るわけにはいかない。音を上げそうな体を宥めつつさあもう一頑張りとしゃがむ女。こう言われてみると何故か自分のことを言われているようで思わず共感勇気をもらう。不思議な力を持った句だ。
 
 9 クチナシや幸せ届く香り持ち (ヨヨさん) 2
花言葉は忘れたが梔子の花は大府市の市の花である。市制50周年を期に今年から桜が加わった。梔子は子規も愛でているが「香りのプリセス」と言われるほどであるという。作者はさらに「幸せの香り」と言う。好きな花なのだろう。この場合クチナシは漢字を用いた方が良いかも。名前の由来は実が熟しても口を開かないからとか。

12 電車窓雨の滴り鬼ごっこ
無点句だが無邪気な句だ。車窓に滴る雨粒。つつつーと絶え間なく続く。時に追い越すものもある。まるで鬼ごっこしているみたいだ。作者は退屈な刻をスマホに預けるでもなく自然の営みに委ねているのだ。贅沢と言えば贅沢。作者の感性はこの瞬間研ぎ澄まされているのだ。 

58 豊穣の茶色眩しき麦の秋 (ふうりんさん) 2
季語は麦秋で夏。農家では暑い雨季を縫っての麦刈りである。麦畑の少なくなった昨今、あまり見かけなくなった風景だ。「茶色眩しき」に新鮮さを覚えた。豊穣の茶色に稲穂とはまた違った趣が読み取れる。暗唱するうちに懐かしさがこみあげる。

71 投げやりに喋る自販機梅雨湿り (アイビーさん) 2
「しゃべるロボット」を体験した。AIの産物だ。実によくできている。女の子だったが心なしか愛想もよい。この句、運悪く嫌な奴に出会った。時しも鬱陶しい湿り機械的に喋ったのだろう自販機は。投げやりに聞こえた。買ったコーヒーの味が気になるところ。今度喋る自販機に出会いたいものだ。梅雨時に。句材は思わぬところにあるものだ。

108 雨蛙豪雨呼び込み泣きべそぞ (茶々さん) 1
蛙の鳴き声を泣きべそと捉えた。外は豪雨、その狭間に聞こえる蛙の鳴き声。恐らくこの梅雨の時期日々聞こえる鳴き声とは一味違って聞こえたのだろう。そう言われるとそれも有りかなと思えて来る。不思議な句だ。

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