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スレッドNo.2141

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

22 吾父の西瓜投げたる力瘤 (あい)
畑の西瓜を収穫した時の光景だろうか。むやみに抛れば西瓜が割れてしまうから、受け手と呼吸を合わせ抛る。と言っても、投げる方に膂力と熟練が要求されるのは当然だ。作者のあいさんのお父さんは、その辺を加減して、しかも百発百中の熟練の腕を持っていた。そこには、寡黙で逞しい父親像が思い浮かぶ。父は自分の父に決まっているから「吾父」は父だけでよい。父が投げ母受け止めし西瓜かな これでは、作者の句意とは違ってくるかも。

13 天の川娘の彼氏登場す (コビトカバ)
天の川伝説の彦星と織姫のファンタジーから、一転現実の世界に戻れば、ここでも、なんと娘さんが彼氏を家に連れてきた。思わぬ展開にドギマギし、そして彼氏の人柄はよさそうなので喜ぶコビトカバさん。この得難い経験を早速俳句にした。ファンタジーと現実とが混然一体となった不思議な味わいの句。

65 雲の峰人其々の子育て論 (コビトカバ)、
雲の峰と子育て論の二物取り合わせの句。いい味を出している。中七の「其々」は「おのおの」「めいめい」読むのだろうが、やや分かりにくいので平仮名表記にするか、「夫々」(それぞれ)としてみてはどうだろう。季語の雲の峰もよいが、私らの世代には「梨剥くや」ぐらいがピタッとくる。

58 海の家焼きそばに足す唐辛子 (ふうりん)
海の家で食べる焼きそばは、初めから誰も期待してない。ただ昼飯時だから焼きそばでも食べようか、という程度だ。案の定、旨くはないが、我慢できないほど不味くもない。そこにあった唐辛子をかけて何とか腹が膨れたから、まあ良しとしよう。そんな雰囲気を上手く表現した。小道具の唐辛子が利いている。かつて故小渕総理を「海の家のラーメン屋」と言ったのはビートたけしだったか。

29 トッポキのタレも真つ赤や大暑の日 (ヨシ)
トッポキは韓国の餅を炒めた料理で、クリーミーな味と辛さが人気らしい。らしいというのは私は食べたことが無いからだ。未経験だが韓国料理と聞けば、なんにでも唐辛子を入れる真つ赤な料理という先入観がある。一年中で一番暑い大暑、真っ赤な韓国料理と来れば私は遠慮したいが、若い人はそうでもないらしい。案外、逆療法で合うかもわからない。激辛、真つ赤と言えば大暑に落ちつくのが理の自然。

32 湯のような水を使いて墓洗う (ABCヒロ)
墓洗うは秋の季語だが、実際には夏の暑さが厳しい盆の頃。当然水を使うのだが、暑い最中とて水もまるで湯のように熱くなっている。夏の季語に日向水(ひなたみず)があるが、作者のABCヒロさんは注意深く季重りを避けた。この句は現代仮名づかいで統一されている。旧仮名づかいとどちらを採用するかは作者の自由だ。ただ同じ句の中でゴチャ混ぜは不可。

68 朝顔の紺の引き立つ白さかな (無点) 
惜しくも無点となったが凛とした気位を感じさせる句だ。難点は紺を引きたたす白が何を指すのか、読み手に分からないことだろう。省略は俳句の要諦だが、これまで省略してはやりすぎだ。ただ、作者の側に立ってみると、例えば白とは木槿の花だったと仮定しよう。そうすると、 朝顔の紺の引き立つ白木槿 となろうか。これでは、句の主題が朝顔か木槿か分からなくなり、それを嫌ったとも考えられる。悩ましい。

以下次号、不定期掲載

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エッ! 彼氏を家に連れて来たんじゃなかったの。たばかられたー。

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ヨシさんへ
ほんとですね!次女は彼氏おりますが、長女におりません。

ヨシさんの俳句はトッポギが食べたくなりますね!

俳句から色々な話が出来て楽しいです。

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アイビーさん、トッポキの句を鑑賞して下さりありがとうございます。
大暑の日に大阪へ行きまして、長女が韓国料理が好きなので一緒に食べました。そのままの句です。
真っ赤なんですけど超激辛ではありません。主人だけ頭の中まで汗だくで食べていました。ちょっと笑っちゃった。代謝がよくなりますね。

コビトカバさん、天の川の句惹かれました。うちは三人娘ですが、誰も彼氏がおりません(>o<")
ご縁というのは、何処にあるんでしょう。

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アイビーさん鑑賞いつもありがとうございます。

娘の彼氏の句は天の川の向こうに彼氏がきっと待っている!という願いを込めた(私が)句で娘に彼氏はいないんです(TT)
子育て論の句はそれぞれと読みます。それぞれの漢字を調べたら「其々」と出たのでその表記にしましたが「夫々」もありますね!
勉強になります。

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