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スレッドNo.2165

自句自解

14 掻き寄する熱砂敗者の甲子園  3
 いよいよ今日決勝戦を迎えた高校野球、仙台育英の夏連覇なるかが焦点。相手は慶応。例年以上の熱暑の中幾多の学校が郷土の期待もむなしく球場を去った。コロナの影響で自粛されていた「甲子園の土」の持ち帰りが戻って来た。涙ながらに土を掻き寄せ袋に詰める球児の背中は哀愁を帯びる。あえて持ち帰りをしない学校もあるとか、その気持ちは察して余りある。2004(平成16)年の駒大苫小牧以来史上7校目の偉業なるか期待大である。

30 花火師の三尺玉を語りけり
 長岡の花火大会では花火師の頭領が解説に加わるので楽しみである。全国に競争相手が居るので大会は競技の場でもある。大会が終わった時点で次の戦いが始まっている。失敗と工夫の積み重ね、特に「如何に円形を保つか」が基本らしい。訥々と語る花火師の一言一言に重みと未来への希望が読み取れた。観衆に堪能して貰うのが何よりとか。事故もつきものらしい。

57 和太鼓や昭和の響きここにあり 2
 「寝押しした昭和も遠くなりにけり」の川柳に出会った。年寄りの居場所づくり「サロン8」はハーモニカでの歌に始まるがほとんどが昭和の懐メロだ。平均83歳、みなこれで満足していると思いきや最近は新曲が交じる。皆さん結構反応している。やはり女性は感性が豊かだ。今年も夏まつりが終わった。大太鼓、小太鼓が奏でる力強い響きは確かに昭和の物だ。太鼓には昭和60年購入の記載が。見た目には損傷はないが「そろそろ寿命だ」とは師匠の言。一方打ち手の継承は確かに進んでいる。技術の向上と共に太鼓の心が確かに伝わってくるからだ。

71 寄り添ふて祭団扇の風送る
この句は踊り子と音頭取り取り合わせ。昔の古里の盆踊り風景の追憶だ。コロナで中止が相次いだのと過疎が進み盆踊りそのものの存在が危ぶまれている寒村の状況である。先に伝統の「文楽・人形芝居」も中学校の閉鎖で後継者が得られず休止の止む無きに。踊りは単純な動作の繰り返し。音頭は物語になっていて延々と続く。手元には以前無き先達から頂いた踊りの手ほどきと音頭の一覧が載っている冊子がある。数冊コピーして知人に配ったが音頭取りや踊り手が居なくては元も子もない。本籍はまだ置いてあり旧友もいるので機を見ての帰省をと思っている。

96 声揃へ和を乞ふ学徒原爆忌
 早くも78年目を迎えた原爆記念日。被災者の高齢化が進んでいる。今も地球上では争いが絶えず核兵器の脅威にさらされている。中で何年か前に訪れたオバマ米大統領の広島での言動が印象深い。そんなことを考えていたら画面は男女二人の生徒が声をそろえて平和を訴えていた。「戦争を知らない子供達」世代だ。でも彼彼女たちに未来は託されていることは確かだ。戦争を知る世代の高齢化が進む今、「平和への訴え」この営みを風化させないことが大事だ。 

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