選句評ーー束束子
12 葬儀後の帰路や別れの秋の蝶 (ダイアナ) 5 ◎束束子、◎いちご、ふうりん
句評は既にやってますので見返して下さい。
20 城内へ銃眼抜け来秋の風 (ABCヒロ) 3 束束子、尾花、高田井
◯、△、□などの銃眼。眼下には水を湛えた内堀があるが岸辺から寄せる風はようやく秋を感じ
させてくれる。猛暑が長かっただけに、今年は特に秋風が待たれた。心情が伝わってきますね。
銃眼を抜ける秋の風 が良いですね。
31 親離れ出来ぬ私と秋の空 (コビトカバ) 1 束束子
何歳になっても父母の愛は心に残っているもの。自分は子供たちを育て上げてしまったけど、今
でも、やはり父母は恋しい。「親離れ」は大袈裟かもしれないが、でも思う気持ちは変わらない。
「私」の1文字が響いてますね。
44 栗届く伊勢新聞に包まれて (玉虫) 4 束束子、ラガーシャツ、ちとせ、アイビー
お隣さんの畑では栗の毬が沢山口を開けている。この句の場合はイガグリでは無くて、栗の実。
伊勢びとは親切で優しいと言われているが、包んであるのが「伊勢新聞」というのが嬉しい。
お伊勢さんには5回ほど行ったけど、直接伊勢びとと会話を交わしたことは無いものの、畑で作
業をしていた頃、山口さんというおばあさんに優しく接してもらったことがあります。
「伊勢新聞」に着目したのはお手柄。
51 潮風の力も借りて烏賊を干す (ヨシ) 2 束束子、てつを
日本海の殆んど中央付近で夜間、煌々と電気を灯してイカ釣りが行われている。冷蔵保存をして
漁港へと戻ってくるが、北朝鮮の船では釣れたはなから開いて船上に吊り干している動画が見ら
れた。烏賊は干すことで旨味が乗るが、お日様だけではなく、潮風も借りて干すと言い切ったと
ころが気持ちがいい。 干し過ぎないで若干柔らかなのが一番美味しいですね。
76 秋の蚊は見かけ倒しやすぐ打たれ (ふうりん) 1 束束子
秋になると蚊も幾分か小さくなる。寒くなると暖かい場所を求めて家の中まで入ってくるが、
盛夏ほどの元気は無くて簡単に叩ける。「見かけ倒し」と表現したところが面白いですね。
蚊に刺されても15分もすれば痒みが無くなるが、🐜や百足、🐝に噛まれると大変です。
妻が数か所🐜に噛まれて10日ほども痒がってましたが、一部は膿まで持って大変でした。
93 また一つ神事消えゆく秋祭 (弥生) 3 束束子、ABCヒロ、ナチーサン
コロナやインフルエンザの流行があって、神社での神事も省略型になっている。この句の場合
どんな神事なのか分からないが、動物保護団体の過剰反応で、動物に関わりのある祭が消えて
いってるケースがある。流鏑馬、野馬追、上げ馬、おまんと祭など、馬に関係するものが多い
が「虐待」という名目で団体が声を上げて困っている。
そのうち、赤ちゃん泣かす競技会、犬ぞりレース、競馬、ペンギンのお散歩、いるかショー
ちゃぐちゃぐ馬こなども「虐待論」を持ち出して止めさせようとするのかも。
80頭ほどの乳牛を殺して食べ、人をも襲ったoso18とかのヒグマの処分で、団体からのパッシ
ングが殺到して役場が困っている。団体は常に被害者側に立つことは無さそうです。
「神事が消える」に注目したのは素晴らしいですね。
束束子さん、皆様、ダイアナです😃先月からお仲間に入れて頂きました🙇皆様の批評、鑑賞、とても勉強になります😃ありがとうございます❗️かをりさんもありがとうございます‼️これからも、どんどんアドレスお願いいたします🙇
束束子さん、選句と鑑賞ありがとうございます。
神事として残せる物と残せない物。
今あちこちでその岐路に立っている行事が数多くありますね。
良し悪しを問うのではなく、ただ事実として無くなることの寂しさを詠みました。
束束子さんの鑑賞は他の方の句も含め具体的で分かりやすく参考になります。
ありがとうございました。
弥生
束束子さん
七句選句の中に入れて頂きありがとうございます!
親離れが出来ない私自身を詠んだ句です。