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スレッドNo.2502

アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1
例によって、アイビーの俳句鑑賞3原則に則っての駄文です。お気に障ったら平にご容赦。異見、反論大歓迎。

欲絶てばあまりある幸鳥渡る (えっちゃんあら) 
季語の斡旋がまことに適切。上五、中七で人生に前向きな姿勢、抽象的な概念を打ち出しているのに対し、季語は目に見える渡り鳥を持ってきたところが素晴らしい。「絶」は「断」どちらでもよいが、ニュアンス的には「断」の方がよいかなあ。

柿落ちてどこか傷つく少女かな (束束子)
俳句は17音しかなく、状況を説明できない部分は読み手に委ねられる。掲句などもその口で、柿が落ちるとどうして少女が傷つくのか分からない。分からない部分は読み手が勝手に解釈してよいことになる。そこで様々な解釈があり、中には珍解釈もあるだろうが、すべて正解とされる。俳句の醍醐味だ。

名月と満月重ね祈るらん (茶々)
名月は仲秋の名月に限るのであって、満月は秋に限らず四季全てに満月があるという意味に解釈した。折しも仲秋の名月、十五夜の夜だ。煌々と照らす月に、何事か祈る。助動詞「らむ」「らん」は推量を示し、「自分以外の誰かが祈っていることだろう」という意味になる。前句同様、読み手に委ねられた。

篠笛や城址にしみる月の宴 (森野)
一口に言って風姿のよい句だろう。月の宴、城址、篠笛と俳句をつくる材料に不足はない。その材料を巧くさばいて、趣のある句に仕立てたのはお手柄。ただ、城址にしみるのは何かといえば篠笛だろうが、上五で「篠笛や」と切ったので繋がらなくなってしまった。語順を変えてみたい。月の宴城址にしみる笛の音

人生や釣瓶落としと晩酌す (ヨヨ)
季語の使い方として議論の余地はあるだろう。そのことはさて置き、人生の過ぎゆく速さを、釣瓶落としに喩えたのは非凡だ。ある程度の年齢に達した者にとって、まことに尤もな比喩で、共感を呼ぶ。ただ、切れ字「や」の位置は再考を要す。人生は釣瓶落としや手酌酒

番頭の手の平ちょこの新酒かな (無点)
惜しくも無点句になった。どうして番頭が登場するのか分からないが、場面設定が面白いと思う。「手の平」は「掌」と書いて読みは「て」だが、意味は手の平のことだから使ってみたい。

月見酒私以外は皆弱い (無点)
この句も無点句だが面白い句だ。面白いと言うのは、詠み人が女性だったなら面白いということだ。句中に女性を示す言葉が無いので点が伸びなかったのではないか。全くのアイビー流で参考にならないかも知れないが。
月見酒男のくせに酔ひ潰れ

以下次号、不定期掲載

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アイビーさん
月見酒の句、女である事を伝えられたら更に良くなったんですね!!
確かにです。その方が楽しいです。

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アイビーさん鑑賞ありがとう😆💕✨ございます。朝ドラの万太郎の実家の酒作りに番頭がいました。昔の酒作りは大変な苦労でした。でもここで番頭のミスで万太郎の酒屋はつぶれました。俳句では番頭を称賛したいと思いました。

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