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スレッドNo.2704

アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1
例によってアイビーの俳句鑑賞3原則に則ての感想です。お気に障ったら平にご容赦。

まだすこし言ひたりぬ母けふの月(えっちゃんあら)
さもなくば月光吠えよ闇の道(えっちゃんあら) 
両句ともこの作者らしく、言葉の使い方に大胆だ。ただ、読み手からすれば、母の言い足りないこととは何だろうか、「さもなくば」の前段に隠されているのは何かという疑問が残る。17音しかない俳句で、作者がそれを明かさない以上、読み手で埋めるしかない。なんともミステリアスな俳句で、それでいて鮮烈な印象の句となった。後に引く俳句とでも言おうか。

富士山を揺らして零余子蔓を引く  (束束子)
一見して、いくら何でもオーバーすぎるのではないか。しかし、読み手が作品に感情移入すればするほど、違和感は無くなるから不思議だ。老獪な作者はそこまで読んでつくったに違いない。ここは素直に作者の術中に嵌まってみるのも一興。

小春日や歳の離れた友出来て (コビトカバ)
仄聞するところによれば作者のコビトカバさんは、全国規模の某俳句大会に特選入選されたとのこと。いきおい俳句の交友関係も広がれば、歳の離れた友が出来ることもあるだろう。冬だというにおだやかな好天に恵まれた小春日和。公私ともに多忙で充実した日々が続く。

上方は燃えるが如く寒昴 (ラガーシャツ)
「上方が燃える」と言うことは阪神対オリックスの日本シリーズのことだろう。中京圏に住む者にとって、関西同士の対決はイマイチ盛り上がらないが、関西では大変な騒ぎになっているとか。作者はこれを寒昴に喩えた。秋以上に冬空の星はキラキラ耀いている。殊に寒昴は冬の星座の代表的なもの。そう言えば先頃亡くなった谷村新司さんの代表曲も「昴」だった。

歳時記に付箋の数多秋深む (ABCヒロ)
俳句を趣味にする者には歳時記が手放せない。作者のABCヒロさんもその一人だ。歳時記を常に座右に置き、開く頻度が高ければ、貼ってある付箋の数も夥しい数になる。そうした俳句生活の日常を詠んだが句だが、具体的に「付箋の数多」としたところに俳句の呼吸を見る思いだ。季語の「秋深む」も申し分が無い。

お十夜のぜんざい目当て講話聴く (無点) 
お十夜は旧暦の10月に行う、浄土宗のお寺ではとても大事な行事だ。お寺では信徒の接待に煮炊きをするが、このお寺はぜんざいでもてなすようだ。後のぜんざいが楽しみで退屈な講話を我慢すると、作者はおどけて見せた。事実、楽しみのひとつでもある。この句を自分も取りたいが、ほかの誰かが取るだろうと思っていたところ、最後まで誰も取らなかった句、そんな気がする。不遇な句も偶にはあると割り切りたい。

以下次号、不定期掲載

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油断なんてとんでもないです!
今も毎月ドキドキです!
精進です!

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ラガーシャツさんは私よりは随分お若いようですが、世間的には立派なおじさんの世代でしょうか。ひっくるめれば私もおじさん、ラガーシャツさんもおじさん。世の若い人よ、おじさんパワーを侮ってはいけません。表向きはものわかりのよい顔をしていますが、その実、若いもんに一泡吹かせようと虎視眈々とチャンスを窺っているのですから。油断してたら寝首を掻かれますよ。

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アイビーさん私も鑑賞して頂き感謝です。
私はいつまでも俳句初心者から抜けられません
鸚鳴庵俳句教室では同期入門のご夫婦が俳句に
目覚めて成長著しく羨ましく思ってます。
これからもご指導お願いします。

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アイビーさん鑑賞ありがとうございます^o^
歳の離れた友の句、教室で出会えた方々や俳句で知り合えた方を思い詠みました。
俳句に出会いとても刺激的で楽しいです!

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アイビーさん観賞ありがとうございます。入選等は全く遠が遠く参加だけの人です。でもネット俳句に投句させて頂き観賞して貰うのはとても嬉しい事です。俳句をやって良かったなんて思います。

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