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スレッドNo.2725

アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3
例によってアイビーの俳句鑑賞3原則に則ての感想です。お気に障ったら平にご容赦。

猪を見つ芦屋の坂のレストラン (ヨシ)
人間の領域に野生の動物が出没したニュースをよく聞く。芦屋市といえば京阪神地区でもモダンな高級住宅街のイメージだが、なんとレストランに猪を見たという。もとより人間の領域は人間の都合であって、動物の側はあずかり知らぬことだ。秋田県知事が熊の駆除を明言したところ、囂々たる批判が寄せられたと言う。動物の側に罪はないが、さりとて被害を受けた住民の立場も。掲句は事実を淡々と叙しただけのようでもあるが、その実、極めて今日的な問題提起している。

郷里より特Aランクの今年米 (ふうりん)
私が特選に頂いた句。ふうりんさんの郷里はいわゆる米どころなのか、今年も郷里から新米を送ってきた。しかも特Aランクの米だ。郷里のみんなも恙なく、例年通り今年も豊作なのだろう。「特Aランク」と具体的に示したことで、豊穣の秋を寿ぐ作者の気持ちが前面に出てるように思う。

鈴鳴りて茶房の戸風冬隣 (ダイアナ)
鈴は玄関ドアにつけられたドアベルのこと。人の出入りの時に鳴るが、洒落たインテリア感覚で取りつけることも多い。茶房に人が出入りする度に鳴るが、一緒に入って来る僅かな風に冬の気配を感じ取った作者。鋭敏な詩人の感性が宿る。推敲の行き届いた俳句と見受けた。

寄り添いて雨月の道を傘一つ (ダイアナ)
雨月は秋の季語で、折角の名月なのにあいにくの雨。しかし、隠れている月を思う情緒もまた風情だ。傘が一つと来れば恋人同士と見るのが常識だろう。恋人なら「寄り添いて」は当然で、省けるように思うがどうだろう。しかし私は、珍しい季語に敢然と挑戦した作者の意気込みを買うべきと思う。

献体に馳せるを思ひや冬始め (ナチーサン)
亡くなられた方が生前、献体の意思表示をしていた。その遺志通り、大学の医学部に献体された。献体と軽くは言うが、そこに至るまでには計り知れない葛藤があったに違いない。送る遺族もまた困惑と葛藤があったに違いない。故人とその家族の尊い決断に、私たちは思いを馳せなければならない。

自然薯の長さほどなり悔やみごと (かをり)
自然薯は、天然物の場合5年で1メートルを越す。おまけに土質によっては随分と屈折したものもある。それを作者は「悔やみごと」に擬えた。どういう事情かは知る由もないが、「悔やみごと」とは、とりもなおさず「悩みごと」と置き換えられるのではないか。昔から「山より大きな猪は出ない」という。時間が解決するものだ。

大蕪の総身に甘み詰まりたる (てつを)
これから寒さが募って来ると冬野菜がおいしい。中でも蕪だ。総身に甘み詰まっていると言い切ったところが、いかにも俳句らしい表現で小気味よい。強く断定することが、読み手に有無を言わせぬ説得力を持つのだ。

まだまだよ足りない補強竜の冬  (無点)
東海地方とすれば、竜とあるから最下位に終わった中日ドラゴンズの補強ぶりが、まだまだ足りないと切歯扼腕するファン心理を俳句にしたのだろう。ユーモアに包んだのはよいが、口惜しさが先に立って、季語の冬が「竜の冬」と取ってつけたようになってしまったのが残念。まあ、気休めを言えば3年続けて最下位はないでしょう。

以下次号、不定期掲載

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まだまだよ足りない補強竜の冬  (無点)
五年度の日本一は虎年でタイガーズ、七年度は竜年でドラゴンズ。このサイクルで如何?
では干支の無い球団はって、毎年変えるか。来年は卯年、兎はラット?これ鼠か、ミッキーマウスも。
それにしても彼の国はユニークだ。ジャイアンツやタイガーズもあるが一方、レットソックスにホワイトソックス、
ダイヤモンド何とか大谷所属のエンゼルスもユニークだ。が、だ、アレを目指すには岡田の言う、守備の強化(エラーーの減少)、若手の育成(新陳代謝)、打順の固定。投手力の強化(四球の減少)。パの王者オリックスの目指す二軍との緻密な連携などごく基本的なことだ。補強やトレードに頼る老舗巨人の轍を踏んではならない。落合時代が懐かしい。

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