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スレッドNo.3003

選句鑑賞

選句、選歌ののちはひとこと添えるのが常でありましょう。
とはいへ、自句自解の前に、結構疲れます。

1 初打ちや除夜の鐘ほど打ちにけり(ラガーシャツ)  
新年は私は一にめでたく、二に厳か この句はまさににぎやかな寿ぎ。
初打ちは初鐘、初御堂でいいのかなあ。だけど、去年今年貫くこの句の強さが大好き。

8 凍蝶や触れれば破れさうなる黃(森野)
綺麗です、ホント綺麗。類想がありそうでないんですね。(どこまで類想の定義によりますが)
特選でいただいておきながら、壊れ、こぼれ、もいいかなあ。凍蝶と冬の蝶とは似ていて異なるものですね。

35 若水や珈琲からの厨事(玉虫)
若水、元日の朝一番に汲む水をさすようになった。
若水と相まって美味しい珈琲になりました。珈琲飲まない人にはわからない。珈琲は水なんです。
だけどそれだけでは採らないです。それは厨事なんですね、うんうん、玉虫さんでしたか。
最高点句、おめでとうございます。自分のことのように嬉しいです。

37 風の棲む丘に一輪冬薔薇 (森野)
シャガールの絵にみるような一種の幻視的な世界。
このような瑞々しい句を高齢の方(大変失礼)の読み手がいるこの会は素晴らしいです。

65 発電車読書の二人居てほっと (森野)
肝は二人居てほっとなんです。発電車で損してますね。
でも、始発でも終電でも、森閑とした車内に誰かいるのはほっとしますね。空ろな気分のときほど恐い。

67 富士の絵に始まる未来初暦 (きなこ)
読み終わって富士山の残像にもう一回未来をみる。いい詩ですねえ。
詩は未来への残像という要素もあるのですね。

81 柿の葉の香りし鮨や冬日向 (ふうりん)
冬日向、いいですやん、ここが季語ですね。千本桜の「すし屋」、谷崎の「吉野葛」を彷彿とさせる秀句ですよね。
桜とか紅葉でない、「日本新名勝俳句」の吉野に値します。

90 なんとなく収まりついて年暮るる (ヨシ)
境涯句は嫌いなんですが、この脱力系が沁みます。
ええ、暮れになると私も口ずさむ句をいただきました。

震災関連はあえて採りませんでした。ごめんなさい。

引用して返信編集・削除(編集済: 2024年01月14日 21:18)

若水や珈琲からの厨事
鑑賞していただきました。
ありがとうございます。
台所仕事は365日
薬缶に水を汲む事から毎日ですが、我が家は珈琲。
匂いで起き出す相方。
若水の季語で特別な朝に。
そんな日常が当たり前に思っていましたが
当たり前などひっくり返る、危ういものだと実感しました。
ならばこの小さな日常を愛おしむ俳句を
と思いました。
かをりさんに選ばれて、嬉しさが何倍も!
見守って頂きたいです。

引用して返信編集・削除(未編集)

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