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スレッドNo.3005

アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1

初釜や舌に崩るる和三盆 (束束子)
和三盆については作者自身の解説にあったので割愛する。この句の要諦は何といっても中七の「舌に崩るる」だ。舌に融けるとか、甘さが広がるとか、ありふれた表現なら誰でも思い浮かぶ。流石はベテランの技巧というほかない。

どこにでもいそうな人と初日の出 (えっちゃんあら) 
「どこにでもいそうな人」というのが、えっちゃんあらさんならではの思い切った表現。二人で示し合わせて一緒に行ったのか、たまたま隣り合わせて初日の出を拝んだのか分からないが、なぜかしら印象に残るフレーズだ。

寝続ける息子インフル倒し中 (コビトカバ)
正月早々、作者の息子さんがインフルエンザでダウンした。母親の息子を案ずる気持ちがよく出ている。おそらく季重なりを避ける配慮か、正月という言葉を使っていないが、その解釈の方が句として具体性が出る。季重なりを過剰に意識する必要はないと思うが。

富士の絵に始まる未来初暦 (きなこ)
風景画のカレンダーの1月は富士山が定番。富士山を表現するに、霊気とか秀麗とかの美辞麗句より「始まる未来」と言い切ったところが見事。ひとつ間違えば陳腐な句になりかねないところ、作者の発想が救った。

凍蝶や触れれば破れさうなる黃 (森野)
蝶々は一年中何らかの季語になりうる。春夏秋冬、いずれも趣を異にして使われるから、しっかり本意を掴む必要がある。掲句の場合、凍蝶という冬の季語だから、「触れれば破れさう」と本質をついており、作者の感性に敬意を表したい。

宇宙人いる説語る冬うらら (無点)
惜しくも無点となったが面白い題材を掴んだ句。季語の冬うららでも悪くはないが、そこで話が終わってしまう感じがある。ここは一番頭を捻るところか。宇宙人いると言う人外は雪 宇宙人ゐると言ふ人囲炉裏燃ゆ とか、いろいろ出来そう。

以下次号、不定期掲載

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アイビーさん鑑賞ありがとうございます^ ^
息子がインフルにかかったのが11月初旬でしたので、お正月と結び付けられませんでした。いつかかったのか入れられたら良かったなぁ
宇宙人の句は私です。
季語の選択!沢山季語の勉強せねばですね!!

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アイビーさん、束束束さん、観賞ありがとうございます。ネット俳句に投句してその後のこのタイミングがとても幸福です。いえいえ皆さんへの観賞等も勿論の事です。広告を読まずに畳む小正月。

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