選句評
◎55 布巻かれ蛇口ぐるぐる超寒波
大寒波予報を受けてベランダに引いてある水道管へ幾重にも布を巻いたが結局ー1度。金魚鉢に
薄氷が張っただけで水道管凍結には至らなかった。生活に欠かすことの出来ない水の確保を心配す
る句として中7の「ぐるぐる」が大きな役割を果たしております。迷うことなく特選で拾わせて頂
きました。地球温暖化でも冬の寒さは痩身には堪えますね。
◯31 一月尽ついに果たせず休肝日
一日に缶ビール2本を飲んでいたので計算してみたところ、年間で15万円 十年間で150万
円分を腹の中へ収めたことになる。 挙げ句の果てにガンマー値が上がって肝硬変の一歩点前。
前々から断酒しなければと思っていたが、年金生活も十年以上。ついに8年前に断酒を決行!
しかし習慣は恐ろしいもので、それから3年はやめたり飲んだりだったが5年前にきっぱりと酒を
絶った! 長い目で、いっそのこと休肝では無くて断酒されることを望みます。
◯70 実習で漉きたる海苔の分厚くて
桜子の友達が海鼠を5本下さった。桜子は俳句会から戻ってきてないので、早速夕飯用に調理を
試みたが切れない包丁では薄いところと厚いところが出来てぐちゃぐちゃ。海苔漉きや紙漉きも同
じで、熟練の人のように均一に出来るものではない。実習を見守る職人さんの目は鋭い。均一に見
えても職人の技には勝てないのは当たり前です。実習室中が海苔の香で満たされている様子を込め
たいい句ですね。
束束子さん、海苔漉きの句の講評をありがとうございました。
この句は、夫が美浜少年自然の家で海苔漉き体験をして、出来上がった海苔を頂いてきたときのことを思い出したものです。
「薄く漉くのは難しいなァー」と言いながら渡されたものは、とても丈夫そう(笑)な海苔でした。でも香りはよく美味しかったです。