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スレッドNo.3322

アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1

春の猫鼠小僧と鉢合わせ (えっちゃんあら)
春の猫は恋猫と同意。恋猫が、あるまいことか鼠小僧と鉢合わせしたのだからぶっ飛んだ。まことに自由自在にして奔放不羈、楽しい世界に私たちを誘ってくれる。この作者の一流の手法である。こういう肌合いの俳句もあってよい。私は大賛成。

つばくろの低き一閃雨意の路地 (蕨)
つばくろは燕のこと。私たちの丁度目の高さを、急降下、反転と自由自在、身軽に飛ぶから馴染み深い鳥だ。今にも雨が降りそうな、重苦しい雰囲気の路地を軽快に飛ぶ燕。視覚的に訴える、鮮やかさが身上の一句。

長じては黄となる薔薇の芽の赤し (蕨)
牡丹もそうだが、薔薇の芽は鮮やかな赤に躍動感がある。そこを的確に描写した作句態度は好感が持てる。ただ、上五、中七は若干、理屈が入っているように思うがどうだろう。

捨つるもの捨て卒業子家を出る (ABCヒロ)
よくある卒業の句とは明確に一線を画する。それは、「捨つるもの捨て」「家を出る」の楚辞に、並々ならぬ卒業子の決意が感じられるからだ。卒業子には志があり、志が成就するまで生家の敷居をまたがないという強い決意表明と私は解釈した。おそらく、作者自身の実体験が投影されているか、あるいは身辺の誰かの実話に基づいた句ではなかろうか。

路地の闇引っ掻く声や猫の恋 (束束子)
繁殖期の猫はどこからあんな声が出るのだろうと不思議なくらい、凄まじい声を出す。それを作者は「闇引っ掻く」と把握した。まことに当を得た形容で、読み手も素直に共感するところ。ベテランの芸を見た心地がする。

節電の名を借りている朝寝かな (エミ)
「春眠暁を覚えず」というぐらい春は睡魔に襲われる季節だ。ことに朝の5分なり10分が、この上もなく幸福な時間だ。そこであれこれ理屈をこねては、朝寝を決め込む。この句は、なんと節電のための朝寝だという。屁理屈もここに極まった。愉快な一句。中七の「名を借りている」が若干、句を重くしている気がする。節電にかこつけ朝寝貪りぬ とか

にこにこと貴女はだあれ春の宵 (ヨヨ)
私の推測が誤っていたら御免なさいだが、認知症の症状が進んでいる人の描写かとも思う。近親者を識別できなくなった老人、日がな機嫌よくにこにこしている。それに対し、決してイライラすることなく、暖かく接する家族。作者のヨヨさんの眼差しも、また暖かい。座五の「春の宵」がよく利いている。

買つてけと試食促す目刺売 (無点)
海が近い知多半島は魚市場などで朝市が開かれる。売り子も漁師だから武骨だ。惜しくも無点となったが、漁師の武骨ぶりを、もっと大袈裟に表現すればよかったかも。方言を丸出しにするとか。

以下次号、不定期掲載。

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アイビーさん。鑑賞していただきありがとうございます。以前屋根に泥棒さんがいてそれを警察官達が捕まえるとこでした。そんな泥棒でも昔の鼠小僧だったら悪党でなく貧乏な人達に小判をばら蒔いたそうな。そこへ春の猫と遭遇してしまったと作り話しです。
俳句で遊んでしまいました。すみません。

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<闇を引っ掻く声>を選んで頂き ありがとうございます。
 「ミミ」という名の三毛猫のメスを20年も飼っていて、ゴロゴロとすり寄って来るので可愛がっておりました。
 平生はおとなしい猫なのですが、春の気配を感じる頃になると近所の猫と大喧嘩。 その声たるや、あれがウチ
の猫なのかと思うほどの絶叫。板塀一枚を隔てた闇での絶叫にたまらず見に行ったところ、二匹が睨み合い中。
殆ど動かないのですが、声だけで交戦している。 近づいても動かないので「コラ~~」と脅かすと、10m
ほどの所でまた睨み合いです。こんな夜が3日も続きましたね。 ともかく物凄い声です。
    一ヶ月も過ぎた頃に4~5匹のあかちゃんを産みましたよ

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