選句鑑賞
1 待ちわびし風をとらえて鶴帰る (森野)
鶴の呼吸が聞こえてきます。作者と鶴のシンクロニシティ。
空の鳥、見るたびにこの句を口すさぶと。
11 新若布鍋いつぱいに開く海 (にゃんこ)
爽快の一句。大鍋とやってしまいそうですが、字にはあらねど、大鍋大潮ですねえ。
男性的な大きな春の慶びをいただきました。
14 孫よりの春を飾れと色仏花 (ヨヨ)
最近、孫はいないので孫の歌はというお話をきいて、そうです、団塊jrは未婚が多く孫がいない比率が高まるのです。
大いに孫のいい句はとります。大甘でなければ。
孫の句は甘くなるなるなんて、いえない日もきてます。挙句の日常を大事にしたいです。
82 ミモザ咲く叱り上手な修道女 (玉虫)
ほんのりなめましさがあって、しかも上品な句です。
叱り上手がなめまかしいのです。ミモザの黄色がすがし。
90 山幾重木曽谷煙る春時雨 (ちとせ)
藤村いわく、 木曽はすべて山の中・・・山幾重は当たり前かなあ。もうひとつひねりがあれば。
自分も地名を説明しがちです。
107 捨つるもの捨て卒業子家を出る (ABCヒロ)
捨つるもの捨て、このリフレインが強烈。
卒業子家を出るが尻すぼみですが、いい感じです。
生意気すみません。
かをりさん、鑑賞ありがとうございます。
お湯に触れた新若布がさぁっと鮮やかな緑に変わる瞬間、何度見ても感動します。
和えたり、サラダにしたり、味噌汁に入れたり、茎若布を佃煮にしたり…最後には塩若布を作って冷凍して…毎年、この時季には新若布を存分に楽しんでいます。