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スレッドNo.3642

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

夏帽子デートプランは内緒です (コビトカバ)
季語に夏帽子を持ってきて大正解。この句の明るいイメージを決定づけた。それと中七座五と続く口語体がとても新鮮だ。若い世代が共感できる要素が盛沢山で、俳句に新しい可能性をもたらした。俳句は老人の占有物ではない。その意味で作者のコビトカバさんには、これからも当ネット句会に新風を吹き込んで欲しい。

はろばろとじゃがいもの花美瑛町 (ゆめ)
広々とした北海道の大地。果てしなく広がるじゃがいも畑。内地のじゃがいも畑とはスケールが違う。北海道旅行の印象を句にした。最果ての北の大地、その感慨が上五の「はろばろと」に凝縮されている。欲を言えばスケールの大きさを、もっと強調してもよかったように思う。じゃがいも畑にしても内地とは趣きがまるで違うのだから。

夏来る少女は白の足袋シューズ (玉虫)
世の中に足袋シューズなる物があるのを今まで知らなかった。親指とほかの指が丁度足袋のように分れているそうで、しっくりした感触が受けてトレンドなのだと言う。その足袋シューズの白が生きている。白い足袋シューズこそ初夏にふさわしい。まして履いているのが少女だからなおさらだ。

竹藪もビルへと変わる竹の秋 (ヨヨ)
開発が進み,、見慣れた景色がどんどん変わっていく。あたり一面、竹藪だったと思ったらいつの間にかビルが建っていた。その様子を詠んだ一句。竹は春に葉が黄ばみ、そのため「竹の秋」は春の季語とされる。あえて「竹の秋」を持ってきたからには、竹藪全部がビルになったのではなく、一部だけがビルになったという意味だろうか。あるいは、一般的な時候と考えれば、「竹藪」と「竹の秋」とは無関係ということになる。この辺が、少しわかりにくいので、別の季語を立てるのもありだろう。

焼け跡の輪島の空や鯉幟 (ダイアナ)
正月早々、能登大地震に見舞われた輪島。甚大な被害は勿論のこと、今なお復旧が思うにまかせず心が痛む。行政、ボランテイアの懸命な作業が続くが、ふと目を見やれば、悠然と鯉幟が泳いでいるではないか。困難の中に一筋の光明を見る思いだ。絶望の中の希望、被災地の復興を確信する一句となった。

砂風呂のスコップの音春惜しむ (無点)
惜しくも無点となったが、指宿温泉の砂蒸し風呂の体験を詠んだ句。自分の体を砂で埋めてゆくスコップの音に、ああ、今年の春も終わったなあと感懐を催す作者。少なくとも作者はそう感じたのであって、結果として入点があったか無かったかは二の次である。結果として入点が無くても、作者自身は愛着を感ずる一句になったのではあるまいか。

以下次号、不定期掲載

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玉虫さんへ
 夏来る少女は白の足袋シューズ
白の足袋にビックリでした。池井戸潤のドラマ「陸王」から商品化されたのかしら。車での移動が多いので若者のファッションに疎いです。ちょっと理解できませんでした。東京育の小生運動会の足袋嬉しく拝見しました。小学生の自分が蘇りました。奈良育ちの夫には通じなく、地方地方で文化が違うのですね。徒競走の前のドキドキが甦って来ました。良いお話有り難う御座いました。

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夏来る少女は白の足袋シューズ
を鑑賞して頂きました。
ちょっと月に一度か二度電車に乗ります。
平日昼間ですので、大抵は乗客の殆どは座れて、またその殆どがスマホを見ています。
対面に座っていた少女の足元に・・・???えええ?となりまして、長い足、ジーンズ、ショートヘア。
全部格好いい!で、靴。先が割れて足袋?だよね?ナイキ!のロゴマーク。
そう言う靴が世の中に有るんだそうです。
最近は足が・・・とか言ってヨロヨロしている私の履ける代物では有りませんが。
ワクワクドキドキ。俳句にするしか無いでしょう!
の一句。昔祖母に聞いたことが有りました。歳をとるってどんな心境?って。
身体はこんな風だけど、心は18位の侭だよ。その言葉本当だった。
足袋シューズの少女は、私の中で同化して、颯爽とホームを去って行きました。
電車は句材の宝庫!
今回の俳句の出来はさておき、こんな風に生れた一句です。
お喋りついでに、足袋と言えば、運動足袋!!
私の育った北海道のある地域では、運動会に運動足袋を穿きました。
足の裏は補強されてましたが、何しろ布ですから、一日で破れてしまいました。
年に一度の一日だけの”運動足袋”も思い出しました。
喋ると長い!
お許し下さい。

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アイビーさん、輪島の鯉幟の句の鑑賞ありがとうございます。まさにアイビーさんの鑑賞のように、地震後の火災で輪島朝市が焼け野原となってしまいその地に鯉幟が希望のように元気よく青空に泳いでいる景を読みたかったのですが、自分では表現が物足りない気がしていました。
ついでに指宿の砂風呂はとても楽しかったです。わくわくしました。その気持ちを表すには「春惜しむ」ではなかったのでしょうか?もう一回入りたかったな~。
もう一つ、先月の私に句、コンサート終えて乾杯風光る、も鑑賞していただき、コンサート前後の私の緊張と喜びまで読み取っていただきアイビーさんの鑑賞力の深さに「凄い!」としか言えませんでした。先月は書きそびれてしまい、この場で御礼申し上げます。

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