MENU
452,619

スレッドNo.3785

アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1

さくらんぼ一つを食ふて仲直り (えっちゃんあら)
さくらんぼで仲直りできるトラブルならさほど深刻な話でもなかったのだろう。何にしても仲直りできたのは何より。さくらんぼが嫌いな人は無かろうし、イメージ的にも愛らしい果物なので、仲直りにはもってこいだ。ただ、細かいことで恐縮だが文法の誤りがあった。「食ふて」は「食ひて」が正しい。音便形にするなら「食うて」となる。それと、さくらんぼが一つだけというのも不自然だ。善処されたい。

生命線握って生まれ天瓜粉 (ABCヒロ)
生れたばかりの新生児を想像する。あらん限りの力で泣く。赤ん坊の生命力の全てをかけて泣く。生まれたばかりの嬰児でも、生きたいとする新生児の逞しい生命力に、粛然と衿を正すのみだ。「生命線握って」の楚辞は流石だ。

薫風や一信一宝得る一献 (和談)
「一信一宝」とは、何か成句に基づく表現だろうか。初めて目にした言葉で、是非、作者の和談さんにご教示願いたいところだ。分からないながら誠実な和談さんの人生観を体現する言葉であろうとは想像できる。「信ずることを貫けばすなわち、宝を得るにしかず」と当てずっぽうながら解釈してみた。そののち、一献とあるところが和談さんらしい。

鳥達の早口言葉夏兆す (コビトカバ)
鳥の鳴き声にも千差万別、よく聞くといろんな個性がある。それを「早口言葉」と捉えたあたりは見事。詩人の感性だ。なに、あれは単なる求愛の行動などと言ってしまってはブチ壊しだ。座五の「夏兆す」に説得力がある。

夏帽子少し汚れて旅果つる (鮎)
季語の「夏帽子」にこういう使い方があるんだと、目が洗われるようだ。少し汚れれているのは、どこへ行った時の、あの時に汚れたんだと、これもまた旅行の楽しい想い出になる。なんということもない夏帽子が俄然、生き生きと光彩を放つ。

尺取を枝とまちがへ汗たらり (いちご)
尺取虫を木の枝と見誤ってしまった騒動を詠んだ愉快な一句。実際問題として日常によくあることではなかろうか。そうした体験をすぐさま俳句に詠もうと思うのが俳人の俳人たる所以。ただ、座五の「汗たらり」はそこまで言っては言い過ぎと思う。推敲の余地がありそう。

サングラスかけて将来ベンツ買ふ (無点)
惜しくも無点となったが、一読して思わず吹き出しそうになった。少し軽薄な、いかにも当世風の若者の実体を活写した句。もっとも、「男子三日見ざれば刮目して見よ」の喩えもあり、本当にベンツを買う日が来るかも知れない。

以下次号、不定期掲載

引用して返信編集・削除(未編集)

まさか6歳のお孫さんとは思いませんでした。推敲不足と謙遜されましたが、10人が読めば10通りの解釈ができます。

引用して返信編集・削除(未編集)

「サングラスかけて将来ベンツ買ふ」
この句は尾花の句です!
6歳の男児が、玩具のベンツの前でサングラスをしてVサインをしている写真が送られてきました。 コメントに
6歳児「僕あのベンツが欲しかったんだよねーー!」
パパ「大きくなったら働いて買いな・・・!」 と。 
推敲不足でした・・。

引用して返信編集・削除(未編集)

アイビーさん鑑賞ありがとうございます!
鳥達の声が洗濯物を干している時良く聞こえるんですが、とにかく早口。
めちゃ喋るやんって思えてきて俳句になりました。
鳥達の様々な声が聞こえるようになったのは俳句のおかげだと思います^_^

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

このスレッドへの返信は締め切られています。

ロケットBBS

Page Top