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スレッドNo.411

選句鑑賞

 3 加齢てふ診断下る残暑かな (萩) 3
「様子見と加齢の二語で済ます医者」の川柳を思い出した。「加齢てふ診断」の受け止め方はそれぞれと思うが作者は「残暑」と受け止めた。医師も診断に困る程度の症状と理解してもやはりもやもやは残る。 でも秋は目前。
 
11 感情はすぐにもつれて萩の花 (ABCヒロ) 1
萩の花の花言葉は「内気」「思案」「柔軟な精神」とあった。当初一読して季語が気になったが上五、中七と読み進めストンと収まった。作者は計算づくなのだろう。季語を活かした佳作と思うが支持が無かった。

13 淡き色狭庭に散らし秋海棠  (森野) 2
秋海棠は参道などの句をよく見かけるが家庭園の句は初めて接した。一読すっと胸に収まった。何気ない風景だが作者の思いが庭の隅々まで行きわたり、秋海棠を介してふんわり一体になっている様に感動を覚えた。

23 風そよぐ白絨毯や茅道 (淑子) 2
茅は「ち」秋で「かや」のこと。白茅(ちがや)、真茅、浅茅(あさじ)、春は茅花(つばな)と歳時記にあった。辞書では、萱とともにイネ科の植物、チガヤ・ススキなどの総称とあった。いずれにしても白絨毯の茅道を心地よい秋風に身を任せる作者。まさに極楽の世界。 

28 早稲の架をこごまり往きぬ国訛り (かをり) 1
中七下五に惹かれた。特に「こごまり」稲架を潜り乍らの短い会話。家族だろうか親族か。お手伝いのお隣さんか。かをりさんの目線は常に土着の視点を保っている。無点の句では無いと思うが。

32 老い入れば老いたるように鯊を釣る (玉虫) 2
私は釣りはやらない。海の育ちだが漁師の子は船に乗るので磯釣りなどしない。ただ夕方突堤でフグを引っ掛け膨らんだ腹で遊んだ記憶はある。老いたる様にとはどのようにだろうか。知恵を働かせて場所、時間帯などを工夫するのか。いずれにしても漁果は若者に劣らないのだろう。経験で鯊の生態を知り尽くしているのだろう。鯊にとっては厄介なご仁だ。

44 古城跡妣の愛した月見台 (淑子) 5
アイビーさんのご指摘で無季と知った。月見台に惚れ込んで全く気付かなかった。今回古城跡のいい作品が並び迷ったが代表で特選に戴いた。淑子さんには推敲して無季を解消してほしいものだ。

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了解しました。有り難うございました。

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44番の句ですが、厳密には月見台は月の傍題にもなっていませんから、厳しい先生なら無季と言うでしょうね。私は厳しくありませんから、月という言葉が無くても、明らかに月が出ている情況が詠みこまれていればセーフのジャッジをします。

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