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スレッドNo.4275

選句作品鑑賞

67 敬老の日二言目にはキセル打つ (えっちゃんあら) 1
寡黙で頑固、昭和の老人のイメージ。刻み煙草に煙管は付き物。これは孫の頭をぶつ武器にもなった。田舎の墓地で火葬にする為掘り出した土葬の墓地から出て来た煙管に叔父の一人が述懐していた。座五は年寄りの唯一の意思表示。上五に敬老の日を持ってきた。何ともユニーク。納得のいく句だ。

76 山一つ動かす如し虫時雨 (ヨシ) 4
山が動くとはある日本人の女性政治家にもあった。よく例えに出てくるがこの句は何と虫時雨。蝉時雨でなく。よほど総身に響いたんだろう。迫力満点の句。

84 聞き役の吾枝豆の莢の山 (アイビー) 4
夕食か、家族団らんの一幕だろう。周りは女性ばかりかも。ちびちびやりながら枝豆を抓む。女同士おしゃべりの話題は尽きない。時折相槌を打ちながら黙々と。気が付いたら枝豆の莢が山になっていた。幸せな時が流れる。

85 弥生杉地に還るらし島は秋(ABCヒロ)  9   ◎かをり ◎ナチーサン
先日屋久島を襲った台風10号、高さ26.1mもの世界遺産の弥生杉、46mもの強風で倒れた。
樹齢3000年と言う。この句を見てネットで確認。大樹の生々しい姿を見た。中七に実感が籠っており切なくなった。改めて自然の残酷さを思い知らされた句だ。特選に戴いた。

87 稲刈を見る二千歩の徃き還り(玉虫) 3
 二千歩と言うから相当な広さの田んぼだろう。半分ほどは刈り取られ稲架襖になっているのかも知れない。見回りながら豊作に満足しつつも異常気象の1年を回想しているのだろう。二千歩の歩みも苦にならない。足取り軽く。
 
89 秋灯や車窓に旅の果のあり (森野) 2
 秋の旅は格別だ。特に日本の秋は津々浦々至る所に名所があり胃袋も充たしてくれる。
この句、車窓に焦点を当てた。車窓に旅の果てとは言いえて妙。秋灯の季語も申し分ない。心に残る句だ。

105 真青の背手剝きて鰯だんご汁 (チトセ) 1
 鰯の美味しい季節。旬の食材を使った贅沢な団子汁。だがこの句の魅力は上五中七の潔さ。躍動感。実践したものでないとこのような生きた表現は出来ない。団子汁、戴きます。

107 二杯目は塩むすびにて今年米 (ヨシ) 4  ◎ラガーシャツ
 コメ離れが言われて久しい我が国だが米食党の選者にはうらやましい句だ。一膳目はおかずと味噌汁でお替わりは🍙と来た。しかも塩のみ。新米が輝いている。三杯目は海苔か。ご馳走さま。

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ナチーサンさん、二句も鑑賞して下さりありがとうございます。
山と虫時雨の 句は、ドライブインの隣が山で、真っ暗な山で一斉に色んな虫が山全体が震える程にないていました。黒い塊が動き出すような人間の立ち入ることの出来ない畏怖の念を感じ何とか気持ちを残したいと句にしました。
塩むすびの句は、新米の出る頃になると食欲も復活し飯が旨いです。熱々の飯を湯気ごと「はふっ」と頂く!最高です。おむすびにしたって具も要らない、塩だけで旨いのです。ご飯を美味しく頂ける感謝の気持ちも込めた句です。

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