アイビーの俳句鑑賞 その4
アイビーの俳句鑑賞 その4
惜しくも無点句となったが、ちょっと推敲すれば点が入りそうな句もあった。私の推敲の仕方は ①ほかの言い方はできないか。②しっくりこない時は語順を変えてみる。③省いても意味が通じる言葉はないか。意味が被っている語彙はないか。どうしても伝えなければならぬ情報かどうか を重点に推敲している。以上のことを踏まえて無点となってしまった句をアイビー流に詠んでみたい。文芸作品に対する冒涜ではないかというお叱りもあろうが、かたいことは抜きにして、同じ材料を使ってアイビーならこう詠むということでご理解願いたい。勿論、異論や解釈違いがあるかも知れず、種々ご指摘いただければ幸いである。
(原句)鐘掃除新年迎へ気構へも
(アイ)鐘の煤払つて寺の年用意
寺院の年末の大掃除は煤払ひと言う。煤払いも年用意も季語だが、やむを得ない。
(原句)新聞から初売りちらしごっそりと
(アイ)初売りのチラシ束ごとどさと落ち
新聞と断らなくても分かると思う。
(原句)大晦日温い伸し餅猫胡坐
(アイ)胡坐かき伸し餅切りし男かな
語順を変えて、胡坐を強調した。猫が胡坐をかいているのはピンとこないので、餅を切る本人の胡坐とした。餅自体が季語。
(原句)帰省せぬ子らそれぞれのお正月
(アイ)帰省せぬ子も恙なく年迎ふ
それぞれをに「恙なく」にし、「子ら」では子供の数が複数なので単数にする。
(原句)年明けてLINE絵文字が続々と
(アイ)年明けや絵文字の笑ふメール来て
切れ字を入れることにより韻律が生まれた。
(原句)初売りの剪定鋏薔薇を剪る
(アイ) 初売りの剪定鋏で薔薇を剪る
剪定鋏を買ったのか薔薇を買ったのか分からないので、字余りになっても「で」を加える。
(原句)年の瀬に餅つき腰弱機械捏ね
(アイ)腰弱し機械で搗きし暮の餅
語順を変えて、句意の解釈をスッキリさせた。
(原句)沙汰なきも無事を尊ぶ去年今年
(アイ)沙汰なきは無事といふこと実千両
無点になったのが不思議なくらいだが、強いて言えば季語はもっとよい季語がありそうなので。
アイビーの俳句鑑賞:完
添削などと大それたするつもりはありませんが、「アイビーはこう考える」とご理解下さい。。
アイビーさんの添削有難いです、勉強になりました。更なる推敲が大事ですね🙇♂️