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スレッドNo.4959

選句候補作品鑑賞

8 京言葉やさしやわらか九条葱 (弥生) 1
九条ねぎは、葉はしっかりしながらも柔らかく、甘くて風味の良い青ねぎ(葉ねぎ)とありました。京言葉は余り接したことはありませんが悠長ではんなりとしたことばとの印象があります。九条葱との取り合わせがリズム感を得てより印象を強めています。

62 琥珀色して煮凝りは昭和なる (ABCヒロ) 2
一言で昭和と言ってもこの六十数年の世代は一様ではありません。終戦後だけでも団塊世代(S22~)、団塊ジュニア世代(S46~)、氷河世代(S46~)、バブル世代(S55~)等々。現在はZ世代(1990~2020)が世界人口の4/1を占めているとか。確かに昭和は我々化石世代から見れば琥珀色して煮凝っていますがこの多様化の時代にあって(カラオケ全盛時代)歌謡曲の世界で歌詞の詩的要素の高さが再評価されるなどその良さが見直されているのも事実です。

88 数へ日に死にゆく人の干支を繰る 
無点句ですが何か気になる句です。何度繰り返しても意味が読み取れませんが何かあります。下五がキーと思われますが・・・自解を求めます。よろしく。

97 老後とはいつからのこと枯尾花 (てつを) 5 ◎えっち
後期高齢者の75歳と言いたいところですが作者は納得していませんね。若年寄りもいるし卒寿を迎えても瑞々しい人も居るしさて何時からでしょう。私の机上に3年前の芒が一房鎮座しています。当然水分は採りませんが泰然自若捨てられるのを拒否、昇華の姿を見せています。

99 一応は主婦の端くれ掃納 (玉虫) 2
男女共同参画とかで最近は時代の流れか男が育児や厨房に入る機会が増えています。ここは専業主婦の意地を見せたいところ。微妙な主婦の感情の機微が一句を豊かなものに押上げ高めています。

102 夢の字の大きく滲む筆始 (若菜) 3
私の孫にも夢の字が付いていますが書初めに相応しい文字ですね。書き手はお子さんでしょうか。筆にたっぷり墨を含ませ大胆に。大書の文字が用紙をはみ出さんばかり。その文字の滲みから夢が大きく膨らみます。

109 瞳孔を照らし冷たく時告ぐる (大門) 2 ◎アイビ
この句一読しタジタジしました。余りにも生々しくて。恐らく他の方も一歩退いたのでは。アイビーさんのみの選でしかも特選。鑑賞を読み改めてこの句の持つ真実へ迫る気迫を肌で感じました。
上五中七の具体性、中七下五の潔さ。句づくりの真髄を見た思いです。

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 大門さんの句でしたか。109の瞳孔の句もそうですが重いテーマを句にしていらっしゃいますね。
しかも容赦なくずばりと核心をついて。44の納句座の句も干支を使っていますが語彙の選択にも納得させられました。重い句を身近な言葉でさりげなく時にはずばりと表現するなど身に沁みました。
有り難うございました。

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ご質問があったので、88番 数へ日に死にゆく人の干支を繰る
もう誰も回復することはないその時を待っているだけ、
場つなぎに死にゆく人の干支を中心にあの人、この人戌だの申だの
三つ上だ、二つ下だと会話を繋いでいる。

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