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スレッドNo.5107

アイビーの俳句鑑賞 その4

アイビーの俳句鑑賞 その4

和談さんの句の感想がまだでした。
枝先の初芽和みて春隣り (和談)
「春隣」という季語は、春の近づいた気配はあるが冬の季語として使う。
庭の木の枝先に木の芽が膨らんで、春が近いことをことを感じ取った作者。この場合の季語の使い方は妥当だと思う。春の季語「芽吹き」との兼ね合いもあるが、中七に「和む」と工夫があるのでセーフとしよう。ただ下五の季語には送りがなを振らないので「春隣り」の「り」は不要。

惜しくも無点句となったが、少し手を加えたらがらりと印象が変わることもある。今月も無点句をどこをどうすればよかったのか、皆さんと一緒に考えてみたい。

味噌カツに美味く滲んだ甘藍や 
甘藍はキャベツのことで初夏の季語に分類される。もっとも市場に通年出回っているので、夏といわれてもピンとこない。季節感に乏しい野菜なので、例えば「春キャベツ」としたらどうだろう。下五で切れ字「や」を使うより「春キャベツ」とすれば句の座りがよくなると思う。

寒明くもシベリア気団襲ひきて
「寒明くも」とすると少し理屈が出るし、俳句が散文的になってしまう。語順を入れ替えて、なおかつ途中で切って二物取り合わせの体裁をとったらどうだろう。「居座りしシベリア寒気寒明くる」

初場所や新大関の大銀杏 
今まで大銀杏が結えなかった大の里のことだろうか。原句のままでは「初場所」が生きてこないし、句の調子がやや物足らない。全体に平板な印象を免れない。「初場所や泥のつきたる大銀杏」

瑠璃残し翡翠よぎる冬の池 
季重りをあまり神経質なる必要はないが、この句の場合は多少気になる。翡翠(カワセミ)は一応夏の季語になっており、真逆の「冬の池」を配したのはどうかなあと思う。普通、翡翠を出したいのであれば、思い切って脇役にするより方法がないように思う。 

春泥や石炭殻の上を行く
正直なところ、石炭殻の上に春泥が行くという状況がイマイチ吞み込めない。仮にそういう状況があるとして、読み手にうまく伝える工夫をお願いしたい。

田に氷芥閉じ込め標本めく 
様々の塵や芥が氷の中に閉じ込められていて、丁度何かの標本のようだ。作者は無機物と化した芥が氷って美しいと感じたのだが、読み手にうまく伝わらなかったようだ。思い切ってデフォルメして幻想的な美しさを強調してみるのも一案だ。「氷りたる芥きらめく万華鏡」

地下街に見つけて久し福寿草 
中七の「久し」がどいう状況なのか理解できない人が多かったのではないだろうか。作者としては思い入れがあったのであろうが…。作句意図とは違うかもしれないが、「地下街に見つけてうれし福寿草」としてみた。

春寒し心乱るる夫の熱 
夫が熱をだした。妻の心配はよく分かるが「心乱るる」は言葉が過剰のように思う。勿論、個々の家庭にはそれぞれの事情があり、必然性がある場合もある時は別だ。ここでは少し表現をおとなしくして「春寒し弱音を吐かぬ夫の熱」

アイビーの俳句鑑賞:完

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玉虫さん、えっちゃんあらさん、ちとせさん、北海道の話で盛り上がってますね。私も随分昔のことになりますが、北海道を旅行したことがあります。ガイドさんの言うことには、真冬の極寒の深夜には建物から、何もしないのに「ミシッミシッ」と音がするそうですね。本当の北海道の醍醐味は冬だとも言っていました。本土と同じようにお寺もありましたが、目についたのは寺の瓦が陶器ではなくプラスチック製で、重々しさに欠けるように感じました。陶器では寒さで割れるのだそうです。

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ちとせさんへ
北海道の作家の名前に宇江佐真理さんが有りました。
かつて函館に住んでいたこともあり、良く読みました。
彼の地で江戸の話を書いていたんですね。

私の北海道時代も遠くなって、冬の北海道は一寸無理かも?の年齢となってしまいました。
暮らし方も変わっていますが、冬の句を考えるときについつい・・・ね。
勉強して行きます。

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玉虫さん
嘗てスキーでニセコ、ルスツ、富良野に行ったり北海道の作家、宇江佐真里、桜木紫乃、原田康子、渡辺淳一など読み漁ってる私には体験談新鮮に感じました。古希を過ぎた私など、故郷を思い出を句にする様になり、懐かしさが込み上げて来ます。玉虫さんはお若いでしょうが段々と。因みに南千歳から鉄道で桜木さんの釧路へ聖地巡礼しました。大好きな北海道、玉虫さんの句楽しみにしています。

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アイビーさんへ 
取り上げて頂き有り難う御座います。瑠璃残し翡翠よぎる冬の池
 寒い中池沿いに瑠璃色が遮り、あー翡翠だと、こんな冬にも出会えた喜びを句にしました。夏に違う場所で幾度か見て句にしていますが、やはり冬はダメですね、残念❗️

田に氷芥閉じ込め標本めく 
 共感して頂き有り難いです、中々万華鏡まで発想飛ばせませんね。
暖かくご指導くださり有り難う御座いました。

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玉虫さん、えっちゃんあらさん、リプライありがとうございます。私などは生まれてこの方、愛知県から出たことがありません。お二人の経験談を拝見すると珍しいお話ばかりです。子供時分は別ですが、裏路地に至るまで舗装してある道路では、「春泥」と言ってもピンときません。その点、お二人は豪雪地のご出身ですから「春泥」に実感がこもっています。ことに短靴の話は、なるほどなあと得心が行きました。

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玉虫さん。私は炭坑の町北海道産まれです。なのでストーブの事玄関をでたら冬は2メートル位積雪の雪はねして道ができた道を歩く。冬は家の屋根に上がって遊んだ事も。。玉虫さんとても懐かしい俳句と説明ありがとうございました

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石炭殻について・・・春泥や石炭殻の上を行く
石炭ストーブを焚くと、燃えカスが出ます。
其れが石炭殻。冬の間毎日ですので、捨て場所が必要になります。
私の家では玄関の脇でした。積るほどう~ん、子供の背丈は有りました。
石炭殻の上にも雪は積りますので、冬の間は汚いとは感じなかった。
雪解けになって家の周りのあれやこれやが出て来ると・・・。
泥んこを埋めるのに、石炭殻を使いました。出入りに石炭殻を踏んで通りました。
・・・などなどは、地方の暮らしに有る事ですが、分らない!!と笑われてしまいました。
どうも其処の当りが私は抜けているようです。
アイビーさんに取り上げていただき、有難い事です。さあ、説明は出来ましたが
句にはどうしたら・・・?
因みに雪解けの頃の悩みとして、短靴をいつから履けるか?が有りました。
通学の革靴が汚れるのが嫌で。長靴は重いし。汽車通学ではかっこ悪いのでした。
昔ですね。今は石炭は焚いていない!と兄弟に叱られます。
高級な石炭は石炭殻は少ないのでした。我が家は安い石炭を使って居たのでしょう。
あれこれ便利になった筈の北国の暮らしですが、年寄りだけの暮らしは厳しいのが現実で。
雪は毎日積ります。
ご指摘ご指導感謝です。

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