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スレッドNo.5253

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

甲斐駒の稜線嶮し雪解光 (ちとせ)
大景を詠んだ句。甲斐駒ヶ岳は南アルプスの主峰で標高2976m。長野県と山梨県の県境にあり、山容の嶮しいことで知られる。季語の解釈が難しいが、「雪解晴」、「雪解風」ではなく「雪解光」の意味を味わいたい。春になって陽光が燦燦と降り注ぐイメージか。いずれにせよ、「雪解光」という季語を持ってきて成功した。稜線の嶮しさと「雪解光」の対照が見事。

春の陽を落とし込んだの吾のネイル (コビトカバ)
人間のしゃべる言葉をそのまま、しかも女性の言葉で575にした。口語100パーセントの俳句が新鮮だ。何と言っても「春の陽を落とし込んだ」の形容が素晴らしい。強いて瑕疵と言えば、坐五に文語の匂いがする「吾(あ)」を使ったのは惜しい気がする。口語に揃えたい気もする。

ポン・チーと老老男女山笑ふ (尾花)
最近、麻雀がブームと聞く。ただし、昔の煙草の煙もうもうとか、徹マンの不健康のイメージから一変している。主にシニア世代がボケ防止のためにやるものだとか。勿論、賭け麻雀とは無縁だ。「老若男女」をもじって「老老男女」としたのが可笑しい。麻雀という言葉が出てこないが「ポン・チー」という効果音で分からせたところが流石。季語の斡旋も適切だ。

春雨や近況友とパスタ店 (ダイアナ)
女性は男性に比べコミニユケーション能力が発達している。私の妻なども「誰某さんとランチに行く」とか言って、いそいそと出かける。近況報告と言うが、おしゃべりすること自体も楽しいのだろう。その所為もあって巷の情報は私よりよほど豊富だ。そんな女性の日常の一コマを過不足なく描写したのがこの句。季語の春雨が抜群に上手い。ただ、春雨、友、近況報告、パスタの店と、一句の中に全部詰め込むのは無理があるように思うのだが…。

見交はせば鶯餅の粉の口 (玉虫)
鶯餅の季節になった。季節の菓子だが、粉が口の周りにつくのが困るといえば困る。お互い顔を見合わせてどっと笑いあう、そんな和やかな情景が目に浮かぶ。鶯餅を句材にした句は多いが、食べた後の家族のリアクションに焦点を絞ったところが作者のお手柄だ。強いて言えば、上五の言い回しが若干言いにくい点が難点。「笑ひあふ」ぐらいでどうだろう。

古雛の箱に書かれし祖父の愛 (楽日)
初孫のために奮発してお雛様を購入した祖父、箱に祖父の筆跡で由来書きがしてある。祖父たるもの、孫は無条件に可愛いものだ。達筆な祖父の筆跡を見るたびに孫煩悩が偲ばれる。ところで、実際の肉親を句材にすると人称、続き柄が混乱することがままある。孫からしたら祖父でも、その父親である作者からすれば父、あるいは義父である。立場によって呼称が変わるので、作句上の配慮が望まれる。

妻の物一枚羽織る春の風邪 (ふうりん)
風邪と言っても冬の風邪と春風邪とがある。場合によっては、さほど重篤ではないものの夏風邪もある。一番重篤なのは冬季の風邪で、流感ともなると隔離だの、学級閉鎖だの大事になる。そこへ行くと春風邪はいくらか軽い。その軽さを「軽い」とは言わず、「妻の物一枚羽織る」と表現した。このあたり、堂に入った詠みっぷりだ。

以下次号、不定期掲載

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重ね重ね・・・
ありがとうございます。
恥ずかしいので今日一日は大人しくしておきます。

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玉虫さん、早速のご採用ありがとうございます。他事ながら旧かななら「笑ひあふ」、新かななら「笑いあう」となります。

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笑いあふ!!
頂きます!

始から
粉は付いてるんだから

笑いあふ鶯餅の粉の口・・・ありがとうございました!

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コビトカバさん、ダイアナさんリプライありがとうございます。アイビーが勝手なことを言ってるに過ぎない駄文ですのであまり気にしないで下さい。あくまで個人的なな感想ですから、同感なら取り、反対なら無視して下さい。

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アイビーさん、パスタ店の句を鑑賞して頂ありがとうございます😃詰めすぎはいつもやってしまいます。一番言いたい事に焦点を絞るよう心掛けます😃🙏

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アイビーさん鑑賞ありがとうございます!
確かに吾を使わずに揃えた方が良かったですね(><)
もっと良い句になるよう、形容部分を活かし再考します!

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