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スレッドNo.5391

選句鑑賞

皆様、こんばんは。
アイビーさん、お纏めありがとうございます。

16 朧月許されてゐるつまみ食ひ (コビトカバ)
全く正反対の趣ですが、紺絣春月重く出でしかな 龍太 をおもいました。秀句ですね。
しかし投句も負けてはおりませぬよ。
五感のうち四感を読み込まれた朧の視覚、あとは想像ですが、巻き寿司の落とされたしっぽの部分をつまみ食いの感触。
でんぶやかんぴょうの香り、甘さ。
大成功です。

21 リュックには入山届け春炬燵  (えっちゃんあら)
春浅き入山前夜の自宅、いやふもとの基地的山荘の趣。
静かな句ですが、登山の喜びが充分に伝わってきます。
そのうれしさに付けます  連山我をきつと待ちなん  かをり

24 入学や回転寿司の予約席 (ヨシ)
回転寿司、回る方ばかりに目がいきやすいですが、席に目をやったのは新しい。
ええ、子供は豪華なレストランよりも回転寿司の方がずっとうれしいとおもいます。
季語の入学は喜びの季語。形容詞や副詞をべたべた貼り付けなくても、予約席、華やいでいますよ。
リュックの句や、後の石蹴りの句にしても季語、具体的な名詞と助詞しか用いていません。
これが言葉の掛け算になり、ありありと目に浮かべることができます。

42 石蹴りのケンパの丸や花吹雪 (玉虫)
ケンケンパリングなんていうのがあるのですね。
子供のころは地面に線を書いて、石などの目印になる物をのマスに投げ入れた記憶が。
いずれにせよ、花吹雪と言う季語が生きて、子供の声が聞こえてきます。
「や」で切るのも型ではありますが、状況により「に」「へ」「を」でも面白いとおもいます。

★54 からたちの花へ湾より風抜けし  (森野)
これはもう、だって「THE・俳句」ですね。
俳句に風味があるとしたら、風味爽快にして・・・ただただ、気持ちよくなれる句です。
暖流はかなた、湾より風抜けし、もさわやかですが、季語の斡旋が秀逸です。
からたちの花の白い色と香気が、清新な抒情をかきたてます。
特選でいただきます。

63 耕人の仕舞煙草の点滅す (犬伏)
時は鍬を置いて薄暮のころとすぐにわかります。
とってもダンディやなあ。
さて、この句の投げかけてくる耕人の姿はどのように感じたでしょうか。
達成感、疲労感、開放感。。。
多分皆様の感じた気持ちが、ご自分の気分に近いかもしれません。

65 整へし髪あらあらと桜東風(さくらこち) (ふうりん)
あらあらとは「荒荒」でよろしいでしょうか。整へしがやや説明調なのが惜しいです。
しかし、古語「あらあら」、まだ寒さの抜けきらぬ「桜東風(さくらこち)」 言葉の選びが深く美しいですね。

79 花筏動かすものの尾の見えて (尾花)
わたしなぞは格好つけて、下五を見えざりぬ とやり七七つけますが、俳句なら尾の見えてと具象化するのが達人ですね。
閑に動きあり、尾はあまごのような渓流魚と見えました。
竿先にある昼の眉月 かをり  勝手に読み手は太公望として。

今回は構えがしっかりとされた力作が多かったです。
点盛り上位作品をご覧ください。安易な形容詞、副詞がありません。
後は自分の好む句の”風味”をひろう楽しさで選句した次第です。

追記 37 菜の花と和して児童の黄帽子 (ABCヒロ)
この和すは足し算と言う趣向かしら。ちと選句で抜けましたが、多くの方が選んでおられるので、ほっとしました。
あと黄帽子はきのぼうし、きぃぼうしか。知りたいです。

引用して返信編集・削除(編集済: 2025年04月16日 16:45)

お忙しいのに書き込みをいただきありがとうございます。やはりかをりさんのコメントがないと、掲示板が締まりません。今後もよろしく。あ、それと54番のからたちの句、作者は森野さんです。

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かをりさんへ

朧月の句の鑑賞ありがとうございます。
色んな感覚が句に入っているとの評価、とても嬉しいです!
私のつまみ食いの真骨頂は天麩羅です(o^^o)
揚げたてをそろっと。
朧月は優しく見守ってくれます^ ^

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさん、花筏の句の鑑賞をありがとうございました。
すみません。太公望ではなくて(笑)
豊田市のある古刹の門前にある池。近くを通ると鯉が集まって来るのがわかります。餌を持ってないのが申し訳ないという気持ちになり、看板にあった餌売り場で一袋買ってきました。四方八方から鯉が寄ってきて、花筏はいつしか鯉の尾で遠くに押しやられていました。
七七を付けて頂き、渓流であまご釣りをしているのですね? 若葉の美しい美味しい空気をいただき、日常を忘れられるひと時、憧れです。 ありがとうございました。

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