MENU
478,222

スレッドNo.5552

アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3

筍の茹であがる香や夕刊来 (楽)
朝掘った筍を茹でるまでが大変である。まず大鍋を用意して大量の水を沸かす、筍の皮を剥き米糠と一緒に茹でる。竹串に刺して茹で具合を確かめる。ようやく茹で上がるのだが、座五で「夕刊来」と軽く受けたところが素晴らしい。時間の経過も分かるし、軽さが良い味を出している。これが俳句の呼吸というものだろう。

スタッフと麦茶分け合ふ風呂介助 (ヨシ)
入浴介護の大変さは想像に余りある。麦茶といっても、介護者本人が自宅から用意してきたか、あるいは自販機なのかは分からないが、いずれにしても施設が用意したものではなかろう。飲みさしの麦茶を気にもせず飲む。これが老人介護施設の現実だろう。報われることの少ない仕事。携わっている方々には頭が下がる。

真っ直ぐに生きる喜び燕子花 (ダイアナ)
燕子花に託した作者の思いを、けれんみなく詠んだ。真っ直ぐに生きているのは燕子花もそうだが、作者自身の生きざまなのだ。鬼面人を驚かす表現よりも、自分の気持ちを素直に詠んだこの句の方が却って新鮮に映る。

鬣を三つ編みされて祭り馬 (玉虫)
玉虫さんは8点句を2句出したが、そのうちの1句。馬の鬣(たてがみ)を三つ編みにするとは初めて聞いた。冒頭から読み手の関心を引き付けておく、いわゆる「つかみ」の手法が鮮やかだ。ところで、この祭りは何処の何という祭りなのだろう。

「爪切り」も長き道連れ昭和の日 (ナチーサン)
「昭和の日」の俳句は、おおよそパターンあるようだ。根底に「ふるきよき時代・昭和」というものがあって、貧しかったが一つの目標に向かって頑張った、という気分を懐かしむ心情だろう。この句は懐かしむ対象が「爪切り」と言う。ありふれた道具でも長年愛用しているうちに、愛着が湧いてくるのは大いに理解できる。

鯉のぼり逆さ吊りするパリジェンヌ (茶々)
初夏の風物詩の鯉幟。日本人ならありふれた景色だが、外国人からすればエキゾチズムを掻き立てるもののようだ。外国人用のお土産の鯉幟かと思われるが、なんとつけ方が逆向きにつけているフランス人がいた。当の本人はそれで悦に入っているのだから、それで良いのかも知れない。

以下次号、不定期掲載

引用して返信編集・削除(未編集)

鬣を三つ編みされて祭り馬
鬣にふりがなを付けて頂きました。
この句の裏には、祭りという季語が有ります。
第二の古里北海道の祭りからの連想。
農耕馬がシッカリ働いて町で見掛けられた頃。
祭りに(ばんば競争)というモノが催されました。
普段目にしている地味な働く馬が、綺麗に飾られてビックリ。
素敵なリボンというわけではなく、紅い布を巻き込まれて。
物凄く大きな、太い脚の馬には近づけません。
離れて見ていたのですが、何故かその、三つ編みがおもいだされます。
北海道も今では馬ではなく、機械での農耕が盛んですから
あの馬達や、三つ編みに飾ってお世話した人たちも過去の事になりました。
私はばんえい競馬のような、競争は好きではありませんが
お祭りに飾り立てて、誇らしげな飼い主をたまに思い出します。
優しい馬の目も。

蝶結び達成したる子どもの日
此の句は、左利きの子が、何回もいや、何年もかっかって
やっと蝶結びが出来るようになったのが、奇しくも子どもの日!
たかが蝶結び、されど蝶結び。皆が出来て自分が出来ない蝶結び。
柏餅より嬉しい、記念日となりました。コーチした私もその子の記憶に生涯残る。
と秘かにガッツポーズ。
無口な玉虫です!をスタイルにしたいのですが、しゃべり出すと長くなります。

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

ロケットBBS

Page Top