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スレッドNo.5977

アイビーの俳句鑑賞  その4

アイビーの俳句鑑賞  その4

古本の書き込み侘し夜の秋 (比延)
「夜の秋」は夏の季語。ふと秋の気配を感じた時に使う。逆に「秋の夜」は秋の季語になる。古本屋で興味ある本を見つけたので、その本を買い求めた。ところが古本なので、前の持ち主がしたのであろう、ところどころ書き込みがある。書き込みなので走り書きのメモに過ぎないが、そこに侘しさを感じた作者。秋の訪れを感じた作者の繊細な感受性が光る。

面痩せの何処に立ちても夕立かな (かをり)
「面痩せ」という言葉が新鮮に響く。目に見えて痩せたわけではないが、どことなく瘦せたような気がする。「夕立」と「面痩せ」と、何の関係があると野暮なことを言ってはいけない。例によって「かをりワールド」の幕開けである。面痩せから、いろんな想像が生まれる。ワードを手掛かりにして、あれこれストーリーを自分で考えるのが「かをりワールド」の楽しみ方である。

止まらないポテトチップス秋涼し (無点)
今月も無点句となったが、少し手を加えれば、なにがしか入点があった句があった。その辺を皆さんと一緒に考えてみたい。
掲句はCMソングにそんなフレーズがあったように思う。それはさて置き、もっと良い季語があるように思う。、今年の異常な暑さでは「秋涼し」と、簡単にはならないのではないか。止まらないポテトチップス螻蛄鳴けり

迎え火の吠え出す犬と男の子 (無点)
「男の子」が何をしたのか、分からないのでやや唐突な印象だ。「迎え火」は「迎火」とする。迎火に犬吠え出して子は燥ぐ

立つ秋や季節は歪み飛来せず (無点)
暦の上では秋になったが、地球規模で猛暑が続いている。この句の言わんとすることは分かるが、読み手にインパクトを与えられなかった。持って回った表現が分かりにくかったのかもしれない。立秋と言ふもまことの秋は来ず

老犬の座り込みたる秋暑し (無点)
よくある光景だが、無点句となってしまった。老犬がただ座っているだけでは、読み手に訴えるものが無かったかも知れない。
老犬の舌を出したる残暑かな

蚊遣香持ちつつ移動庭仕事 (無点)
面白いところに着眼した。この句が無点とは信じられない。蚊遣香持つてお庭を移動せり 

寝室に蟷螂全身に寒気 (無点)
ゴキブリや蜘蛛でなくても虫ぎらいな人は多い。私事になるが拙宅の家内がそうだ。蟷螂はカマキリのことで、斧を振立て威嚇する。怖がりかたを、多少オーバーに表現したら入点があったかと思われる。寝室にカマキリひとつ修羅と化す

昼日向ビール三昧蝉時雨 (無点)
掲句はいわゆる三段切れになる。三段切れというのは、俳句がブツブツになりとりとめが無くなり、俳句では禁忌とされる。
昼間からビール三昧蝉鳴けり

盆唄や炭坑節を繰り返し (無点)
どこの盆踊りでも、炭坑節はすっかりスタンダードになった感がある。句意とはちょっと違うかもしれないが。
全員で炭坑節を踊りけり

アイビーの俳句鑑賞:完

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アイビーさん、面痩せの句、励みになります。
画家のモディリアーニの夫人はとても美人、検索してみくださいませ。でも一家はいつも貧乏なんです。
夫人はやつれて、その苦しさを夕立という季語に託しました。
だけど愛あれば。。。。歌会で改作し七七つけて、持ち寄りました。

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