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スレッドNo.6472

選句作品鑑賞

2 秋桜風に靡きて色散らす  (茶々) 3 ◎てつを、
情景が目に見えるようです。やはりこのような句は頭では作れませんね。ましてAIでは。秋桜との対話は欠かせません。色散らすは作者の思いでしょうか。今年の秋が永からんことを。

34 残菊や路地にかをりを誘う風  (森野) 4 ◎ふうり
残菊ともなれば香りも淡く儚いものでしょう。生活臭のたまり場でもある路地、その路地へ残菊の香を誘う風。作者はこの情景を目の当たりにして己の人生を重ねているのでしょうか。奥行きのある句と思いました。

40 薬局の名入りの袋下げて冬  (玉虫)  5 ◎コビト
私の場合概ね診療時間は長くて10分。「どうだね、変わりないかね。はい! 測定記録を確認し記録、血圧測定後、ではお大事に。大抵そんなもの。混んでると会計に時間がかかります。そして薬局へ。薬局は連絡が行っているので概ね早い。空いている時は懇意な薬剤師と談笑。(必ず薬の効用の説明を受ける・朝5種類、夕3種類)そして外へ。これまでは暑かったが最近はやや寒い。私の場合この一連の流れの中では病気のことは殆ど頭にありません。通院の患者の心の機微をさらりと表現した心憎いまでの作品。特選にと思った句です。

41 初冬や杖の影にも風の音 (羅漢)  3
杖の影とは意表を突かれました。杖は老いの心身の支え。ここに風の音を聞いたんですね。。恐らく体感でしょう。あたかも冬はじめ、長い冬を思いこれからの余生に思いを致す作者。深読みでしょうか。

46 冬林檎量って擂って介護食 (尾花)  4 ◎ナチー
介護食の句を時折見かけますがこの句は至って具体的。その行為一つ一つに患者への思いやりが滲み出ています。分量を量る行為から患者の病状や状況が読み取れ上五の季語と下五の措辞が響き合って介護の大変さは微塵も感じさせずむしろ介護食づくりを楽しんでいる様子が伺え心を打たれました。一種のリズムの乗せられ特選に戴きました。

68 帰り花忘るることも生きる知恵 (尾花)  8 ◎ヨシ
なるほど、人生訓ですね。生身の人間、多くの人は煩悩に妨げられ老境になってもい生き方を狭めています。帰り花が微妙ですね。でもこれに変わる季語は見当たりません。佳句と思います。

83 熱の子のスマホ離さぬ今朝の冬 (玉虫)  4
ありそうですね。最近の子はスマホが友であり生き甲斐です。親はスマホのもたらす負の面を気にしつつ半ば諦めの心境です。一方、子どもを守るべく法的な措置に踏み込んだ国もあります。この句、熱の子を前にはらはらしている親御さんの気持ちが伝わってきます。

106 凍て雲や両手に挟む子の頬っぺ  (玉虫) 5
中七がいいですね。季語と見事に響き合って親子の情愛が醸し出されています。季語の斡旋、切れ字も適切かと。

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ナチーさんへ

おはようございます。  
「冬林檎量って擂って介護食」この句に特選をいただきありがとうございました。
カロリー制限のある食事作りは量って量ってです。肉も魚も、醤油も砂糖も、もちろん林檎もきちんと量るのです。食欲のある人の介護食作りは大変でした。本を読んだり栄養指導を受けたり勉強しましたが常に不満が少しあったのではないかと。それを補うのは話し合いしかないかとも?
「帰り花忘るることも生きる知恵」 物忘れが酷くなった私開き直って。「帰り花」という美しい季語のおかげで俳句になりました。この季語でいいと言って頂き嬉しいです。
ありがとうございました。

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ナチーサン
私の俳句三句を鑑賞して頂きました。
ありがとうございました。
  
106 凍て雲や両手に包む子のほっぺ

此の句は子育てを始めた北海道のころ。当時は車も無く
汽車かバスの移動で時間通りに来る事は稀だったように記憶しています。
待っているときの寒いこと!
親としては冷たくなった子供のほっぺを手で温める事しか出来ません。
赤いほっぺの手触りがおもいだされ一句に。
私は句材に北海道時代を用います。しかし現在の北海道の暮らしとはかけ離れた表現になっている事が多いです。
悩ましいです。

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